ロシアフィギュアスケート界で起きた爆弾発言が、大きな物議を醸している。　

　フィギュアスケート女子シングルで、2014年ソチ五輪金メダリストのアデリナ・ソトニコワさんが現地7月5日、ソチ五輪が開催された14年のドーピング検査で陽性が出ていたことを告白。複数のロシアメディアが報じ、大きな波紋を呼んでいる。

　ソトニコワさんは、ロシア国内のYouTubeの企画動画で「私も2014年を振り返ってみると、しばらくしてからドーピングで陽性反応が出たと言われて絶望感に苛まれた。私は裁判を受けなければならなくなったのだけど…。私の場合は最終的に無罪になったわ。なぜなら、もうひとつ別に提出していた検体で問題がなかったからよ」と自らのドーピング検査について、仰天発言をした。

　ソトニコワさんの突然の告白に、ロシア国内は衝撃を受けている。ロシアフィギュアスケート界の重鎮タチアナ・タラソワ氏は、同国スポーツメディア『Sport24』の緊急取材に対し、「私はこの話を知らない。9年間も情報がなく、事件が公表されなかったのはとても不思議です」と困惑。「何かの間違いがあったのかもしれない。なぜなら、本当に違反があれば、私たち（ロシア選手）はすぐに処罰されるはずだからです」と持論を述べた。
  　混乱は収まず、ロシアのスポーツ日刊紙『Sport-Express』は「ロシア反ドーピング機関（RUSADA）はソトニコワのドーピング疑惑について何も情報を持っていない」と報じている。

　同メディアによると「RUSADAは、2014年フィギュアスケート五輪チャンピオンのアデリナ・ソトニコワに禁止薬物が検出されたとされる情報はないと語っている。彼女は、ロシアにフィギュアスケート女子シングルで史上初の金メダルをもたらした。このスケーターは2020年にそのキャリアを終えたが、ソチ大会後にアンチ・ドーピング規則違反の問題があったと語った。はたして真相は？」と疑惑の目を、ソトニコワさんに向けている。

　ソトニコワさんが「ドーピングで陽性反応が出た」と語ったとされる動画は削除され、現在は閲覧できない状態となっている。突如降ってきた五輪金メダリストからの告白は、国内外にいまだ衝撃を与え、否定的な声も噴出している。爆弾発言の余波は、まだ収まりがつかないようだ。

構成●THE DIGEST編集部

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