WBC・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチが７月25日、東京・有明アリーナで行なわれ、挑戦者の井上尚弥が王者のスティーブン・フルトン（米国）を８回１分14秒TKO勝ちで下し、日本人初となる２階級での王座統一の偉業を成し遂げた。また井上は井岡一翔に続く日本人二人目の４階級制覇となり、世界戦20連勝を達成した。
  　試合は第１ラウンドから井上がペースを掴んだが、中盤以降はフルトンの粘りに遭った。しかし８ラウンド40秒過ぎに井上の右ストレートが決まりダウンを奪うと、最後は井上の連打に同ラウンド１分14秒に、レフェリーのストップが入った。

　この衝撃のKO勝利には、相手国のメディアも度肝を抜かれたようだ。米紙『USA TODAY』のボクシング専門サイト『BOXING JUNKY』は、「火曜の夜、井上尚弥は東京でのスティーブン・フルトンという、より大きく、有能な相手に単に勝っただけではない。元タイトル保持者を当惑させ、最終的に悲惨な目に遭わせた。そして、忘れらない８ラウンドのKO勝ちを収め、崇高なパフォーマンスを締めくくったのだ」と井上vsフルトン戦をレポート。そして、「井上は４階級チャンピオンになったが、おそらくもっと重要なことは彼が地球上で最高のファイターであるという主張を強化したことだ」と見解を示した。

　さらに井上は今回がスーパーバンタム級でのデビュー戦ということもあり、戦前にはサイズへの懸念や、「フルトンのほうが井上よりも優れた技術者だ」という見方があったことを紹介。しかし、サイズ的な問題はまったくなく、技術的にも「井上はまるで対戦相手を手ほどきしているようだった。今ではそんな（フルトンが優れているという）噂が笑い話に思える」と"モンスター"の圧倒的な強さを称えた。

　井上の次なるターゲットは、IBFとWBAのベルトを持つマーロン・タパレスとの４団体統一を懸けた一戦。同メディアによれば、両者は早くも11月に対戦する可能性があるとし、「すでにタパレスを気の毒に思う人もいるかもしれない」と記事を結んでいる。

構成●THE DIGEST編集部
【動画】「地球上で最高のファイター」井上尚弥の衝撃KOシーン！

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