格闘技・プロレス

「今までの負けとは訳が違う」朝倉未来が猛者ケラモフの圧倒的強さに脱帽「言葉がない。反省する内容でもない」今後は白紙を強調【超RIZIN.2】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2023.07.31

ケラモフに敗れ、フェザー級王座を逃した朝倉は敗因を語った。写真:鈴木颯太朗

 完敗を認めるざるを得なかった。

 7月30日、さいたまスーパーアリーナで開催された『超RIZIN.2』。メインイベントのRIZINフェザー級王座(5分3ラウンド)は、朝倉未来とヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)が対峙。1ラウンド2分41秒で、朝倉がギブアップ負けを喫した。

 試合開始から2分を過ぎ、ケラモフが鋭い片足タックルで朝倉からテイクダウンを奪う。アゼルバイジャンの英雄は一気にマウントポジションを奪うとパンチの連打を浴びせ、さらに強打の左ひじも加え、日本人ファイターを追い込む。なんとかケラモフの猛打から逃れようとロープ際で体勢を立て直そうとしたところ、背後から首を締め上げられた。

 戦慄のチョークスイーパーに成す術なく、「路上の伝説」と呼ばれた男はRIZIN参戦後、初めて無念のタップ。勝利を信じた2万4222人のファンから悲鳴が上がり、ケラモフの勝利の雄叫びがRIZINのリングに響いた。
 
 試合後、「特に何もないです。言葉がない」と朝倉は肩を落とし、「反省するような内容ではなかった。今までの負けとは訳が違う」と素直にケラモフが一枚上だと認めた。「マウントのキープ力というか、今までやった選手とは比べものにならないぐらい強かったです。次のことを考えてたら、締められた感じ」とタップの瞬間を振り返った。

 勝負が決まったチョークについては「あの体勢で決まることはない。油断と言えば、油断かもしれない」と敗因を分析。わずかな隙を見逃さなかったケラモフのテクニックに脱帽した。「すごい期待してくれているファンも多かったと思うし、客席の遠くからチャンピオンになる姿を想像していた人には申し訳ない。今は今後のことは考えられない状況です」と白紙を強調。注目されるクレベル・コイケ(ブラジル)との再戦にも「そんなこと言っている場合ではない」とだけ答えた。

 RIZINの象徴として、海外ファイターからも一目置かれる存在感を発揮してきた朝倉。この敗北は、今後の格闘人生にどんな影響を与えるのか。日本人戦士の決断に要注目だ。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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