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「悪夢だ…」4連覇狙ったマイルリレーで違反失格の米国を英放送局が皮肉?”痛恨バトンミス”を「我々は勝ち残った」とチクリ【世界陸上】

THE DIGEST編集部

2023.08.27

マイルリレー予選で痛恨のバトンパス違反を犯した米国(一番右)。4連覇の偉業が潰えた。(C)Getty Images

 ハンガリー・ブダペストで熱戦が繰り広げられている世界陸上。大会8日目に大波乱が起きた。

 現地8月26日、女子4×400メートルリレー予選が行なわれ、2組目に登場した米国が2着でゴールしたが、なんと失格の判定が下された。理由は第3走者から第4走者にバトンを渡す際にテイクオーバーゾーン内で渡せなかったため。4連覇を狙った絶対女王の結末は「バトンパス違反」による失格という、まさかの形で潰えた。

 唖然とする米国の選手たち。無論、母国メディアは誰も予想できない結果に失望している。同国で発行されている時事解説誌『U.S.News & World Report』は「米国女子、バトンミスで世界選手権の4×400メートルリレーで失格!」と大々的に報じ、予選敗退の衝撃を物語る。

 同誌は続けて「距離が長いマイルリレーでの不運は、選手の接触も少なく比較的まれなことではあるが…」としたうえで、「(第3走者の)クワネラ・ヘイズは、アンカーのアレクシス・ホームズにバトンを渡そうとして何度も失敗した。やっとの思いでバトンを渡せたときは、二人はもうテイクオーバーゾーンから外れていた」と失格の原因を厳しく指摘した。
 
 マイルリレーは米国女子にとっては、まさに十八番と言える種目である。近年ではアリソン・フェリックス、シドニー・マクラフリン、ダリラ・ムハマドといった名ランナーがチームを牽引し、世界陸上では過去8大会中7大会で金メダルを獲得。まさに「絶対女王」と呼ぶにふさわしい圧倒的な存在だった。現地メディアは「今年は決勝にすら進めない。なんてことだ…」という嘆きが、いまだ止まない。

 そんななか、米国と同組で激しい首位争いを演じ、トップでフィニッシュした英国はライバル国の思わぬ敗退にほくそ笑んでいるようだ。英放送局『BBC』は米国が予選で姿を消すことについて「女子4×400mリレーの予選は米国にとって、まさに悪夢。前回大会のチャンピオンは失格となった!」と大きなサプライズだと報道。米国のバトンミスにも言及すると、「それに比べて英国は順当に勝ち進んだ」と皮肉を込めた表現で、英国チームの決勝進出を喜んだ。

 東京五輪でも他を圧倒するスピードで、マイルリレー7連覇を飾った米国。絶対女王が不在となる大会最終日のメインレースは、はたしてどこが頂点を掴むのか。注目の女子4×400mリレーは、28日午前4時50分(日本時間)頃に号砲が鳴る。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】マイルリレー4連覇を狙った絶対女王・米国がバトンミスでまさかの失格…

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