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「巨大な衝撃だった」陸上の不正スタート騒動で揺れたインド選手が“中国のハードル女神”に苦言!「頭が真っ白になって…」【アジア大会】

THE DIGEST編集部

2023.10.03

アジア大会の女子100mハードル決勝は一大騒動に発展(写真右から田中、ウー・ヤニ、ヤラジ)。(C)Getty Images

 前代未聞の"不正スタート騒動"が波紋を広げている。

 中国・杭州で開催されている第19回アジア大会。現地10月1日に行なわれた女子100mハードル決勝でハプニングが起きた。第4レーンの呉艶妮(ウー・ヤニ/中国)がピストルの前に飛び出し、隣の第5レーンにいたジョティ・ヤラジ(インド)もつられて出てしまう。すぐさま両選手にレッドカードが提示されたが、これにヤラジとインド代表団が猛反発。協議が長引くのを危惧した大会側は、ひとまずふたりのレースへの出走を認めた。

 仕切り直しで実施された2回目の結果、中国の林雨薇(リン・ユーウェイ)が自己新となる12秒74で優勝を飾り、2位に0.03秒の僅差でウー・ヤニが、3位に12秒91でヤラジが入ったが、レース後に審判団はあらためて両選手に失格を言い渡した。ふたたびインド側が執拗に抗議してヒートアップ。ウー・ヤニが審判団に「先に出たのはヤラジ」と主張しだしたのも火に油を注いだ。

 最終的に失格はウー・ヤニのみで、ヤラジはひとつ順位を上げて銀メダルを獲得した(日本の田中佑美も4着から銅メダルに繰り上がっている)。中国メディア『新浪体育』は「あまりにも劇的で物議を醸す出来事だった。長く語り継がれるだろう」と騒動を振り返り、インド陸上連盟のアディル・スマリワラ会長が発した怒りのコメントを紹介している。

「悪いのはすべて中国の選手であって、ジョティは巻き添えを食らいにそうになったにすぎない。ルールは明確であるにもかかわらず、彼ら(審判団)はジョティまで失格にしようとしたのだから馬鹿げている。そもそも中国の選手のレース続行など認めるべきではなかったのだ」
 
 だが、7月にタイ・バンコクで開催されたアジア陸上選手権の女子100mハードルで優勝したヤラジにとっては、銀メダルでも納得がいかない。レース後に報道陣の前で怒りを露にし、「あのスタートの出来事に100%影響を受けたと断言できる。巨大な衝撃を受けて感情的になってしまい、頭が真っ白になった。そうなると上手くはいかない」とうなだれた。

 最後に『新浪体育』は「ウー・ヤニは中国国内で"ハードルの女神"と謳われて急速に人気を高めていたが、今回の件ではSNS上で批判が集中した。結果的に彼女は謝罪に追われたのだ」と記し、「終わってみればウー・ヤニは、同胞リン・ユーウェイの金メダル奪取に貢献を果たしたわけだ。ヤラジのメンタルに大きな影響を与えていたのだから」と皮肉を込めて報じている。

構成●THE DIGEST編集部

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