今季、F１世界選手権は５戦を残してタイトル争いは決着。マックス・フェルスタッペンがここまで10連勝を含む計14勝を挙げる圧巻の強さで３連覇、そして彼を擁するレッドブルは２連覇を達成している。
  　オーストリア国籍のチームは、再び黄金時代を謳歌しているところだが、その中で苦しんでいるのが、もうひとりのドライバーであるセルジオ・ペレスだ。今季ここまでドライバーランキングで２位につけてはいるものの、フェルスタッペンとの差は209まで広がっており、ルイス・ハミルトン（メルセデス）らの猛追を受けている状況だ。

　序盤には２勝を挙げてタイトル争いに名乗りを上げたものの、そこからはチームメイトにプレッシャーをかけるどころか、自身がたびたびコースアウトを喫し、予選での失敗でレースでは後方グリッドからスタートする光景が何度も見られて、ここまで多くのポイントを取りこぼしてきた。

　今週末からF１はアメリカ・ラウンド（アメリカ、メキシコ、ブラジル、ラスベガスGP）に入るため、メキシコ出身のペレスにはここでの躍進が期待されているが、その一方で去就に関する様々な噂が今季は常に飛び交っている状況だ。レッドブル側も、契約を2024年まで残している彼を、時に擁護しながらも、時にクリスチャン・ホーナー代表やヘルムート・マルコ顧問らが厳しい指摘を与えたりもしている。

　契約満了を待たずしてシート喪失の危機が囁かれるメキシコ人ドライバーだけに、その後釜についても様々な憶測が流れているが、イギリスのF１専門メディア『PLANETF1.COM』は、その候補となるドライバーの名前を具体的に挙げ、その可能性についても言及した。

　同メディアはまず、オランダ・グランプリで左手を骨折して以降の４戦を欠場したダニエル・リカルドについて、「レッドブルが所有するチーム（アルファタウリ）に復帰することが明らかになったその日から、彼が2018年で去ったチームのコクピットに戻る可能性は高まるばかりだ」として、最有力候補に挙げている。

「復帰したハンガリーGPとベルギーGPの２戦で角田裕毅に匹敵する堅実な走りを見せた」ことで、「レッドブルが十分に感銘を受けている」というリカルドがフェルスタッペンの横に並ぶためには、再復帰する今週末のアメリカGP以降、「角田と同等か、打ち負かすことで競争力を証明すること」だと指摘した。