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ラグビー

「その袋をこっちにくれ」試合後は率先して控室の掃除。驚愕チャージで話題の南ア快足ウイングが日本で見せていた素顔【ラグビーW杯】

向風見也

2023.10.21

フランス戦では試合の明暗を分けるビッグプレーを見せたコルビ。(C) Getty Images

フランス戦では試合の明暗を分けるビッグプレーを見せたコルビ。(C) Getty Images

 強さを発揮した。

 現地時間10月15日夜。パリのスタッド・ド・フランスで南アフリカ代表の「11」をつけたのは、29歳のチェスリン・コルビだ。

 29歳。身長170センチ、体重74キロと小柄も、パワー勝負を好む南アフリカ代表でレギュラーを張る。タッチライン際のウイングとして、速さ、ばね、何より筋力や体格では表し切れぬ本質的な強さを誇る。
 
 この日は前回優勝したワールドカップの準々決勝で、開催国で戦力十分なフランス代表とぶつかった。最後まで勝負のつかぬ接戦で、スコアを左右する大仕事をやってのけた。

 まずは前半22分だ。

 コンバージョンを蹴る相手フルバックのトマ・ラモスへ、快足を飛ばして猛チャージ。ボールに体当たりするような格好で、ゴールを防いだ。

 折しも、フランス代表のしぶとい攻めで12―12と同点にされたばかりだった。コルビの一手は、相手に傾きかけた試合の流れを変えたように映った。

 その変えた流れをさらに南アフリカ代表へ傾かせたのもまた、コルビだった。

 続く29分だった。自陣10メートル線付近右で味方ロックのエベン・エツベスらがターンオーバーを決めると、左後方にいたコルビが一気に前方へ駆け上がった。

 ちょうどパスをもらったアウトセンターのジェシー・クリエルは、ハーフ線手前の左中間で足技を披露。左のスペースへ楕円球を転がした。

 スピード十分のコルビは、敵陣22メートル線付近でその弾道へ追いついた。対するウイングのダミアン・プノーの追走を振り切り、インゴールエリアでダイブ! 17―12。直後のゴール成功と相まって計7点をリードし、淡々と次のキックオフを見据えた。

 結局、試合は29―28で南アフリカ代表が辛勝した。エツベスがイエローカードで一時退場していた時間帯に何度もピンチをしのいだことが最大級のターニングポイントだったが、やはり目立つのはコルビの攻守である。単独で史上最多となる4度目のワールドカップ優勝が叶えば、大会のハイライトとなってもおかしくない。
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