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ラグビー

「その袋をこっちにくれ」試合後は率先して控室の掃除。驚愕チャージで話題の南ア快足ウイングが日本で見せていた素顔【ラグビーW杯】

向風見也

2023.10.21

 大勝負で決定的なプレーを繰り出せるコルビは、凡事徹底の人だ。グラウンド外の行動がグラウンド内の動きに反映されているように感じさせるのは、日本の若者たちの証言があるからだ。

 日本大会で南アフリカ代表のリエゾンを務めた榎田剛志、ジョシュ・ウェストブルックは、戦士たちの人柄が素晴らしかったと口を揃える。

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 リエゾンとは現地での世話役だ。当時、秋田にある国際教養大学の4年生だった2人は、縁あって大会側のリエゾン募集へ参加。審査を経て、南アフリカ代表に配属された。

 帯同中、選手は毎朝、目を見て挨拶をしてくれていて、日本の文化や作法についても積極的に聞いてきていた。おかげで「結果的に優勝チームに携われたが、それ以前に学ぶべき点が多かった」と満足するのだが、なかでも印象的だったのがコルビだったという。試合後のロッカールームの掃除を、率先して行なっていたというのだ。

 榎田が大きなビニール袋を出してごみを拾おうとすると、必ずコルビは「その袋をこっちにくれ」と言ってきていた。榎田は雑用で役に立ちたいと思っているから「僕たちがやるから大丈夫だよ」と返すのだが、それにもコルビは「俺が、やりたいんだ」とビニール袋を取り上げ、テーピングの切れ端、転がるペットボトルを袋に集めた。

 果たしてコルビは、この大会で3トライをマーク。史上3度目の世界一に喜んだ。誰でもできることを誰もができないレベルで全うし続け、仲間の信頼、勝負における運気を手繰り寄せてきたのだろう。

 今年の冬からは、日本の東京サントリーサンゴリアスでプレーする。まずはフランスで残された準決勝以降の計2試合(敗退の場合も3位決定戦あり)で、人間性のにじむビッグプレーを繰り出す。(文中敬称略)

取材・文●向風見也
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