ラグビー

「ほんの数分前までは敗北寸前だった」土壇場で逆転!! 決勝掴んだ南アフリカの底力に母国メディア狂喜乱舞!「まだ闘志はある!」【ラグビーW杯】

THE DIGEST編集部

2023.10.22

勝利した南アフリカの選手(手前)らは歓喜し、イングランドの選手(奥)は落胆した。(C) Getty Images

 ラスト3分での逆転劇に国内は狂喜乱舞した。

 現地10月21日、フランスで開催されている「ラグビーワールドカップ(W杯)2023」はついに決勝カードが決定した。前日にニュージーランド代表が一番乗りを果たし、残り1枠を懸けたイングランド代表対南アフリカ代表の準決勝は、南アフリカが16-15で逆転勝利を収めた。

 前回大会の決勝で相まみえた両チーム。ファイナルの切符を懸けた激闘は、最後の最後で劇的なドラマが待っていた。

 前半はイングランドが12-6とリードして折り返し、後半も一進一退の攻防が続く。後半29分に南アフリカが両チーム通じて初めてトライを奪うと、続くコンバージョンキックも成功して13-15と2点差に迫った。そして、77分に相手の反則で得た約49メートルのペナルティゴールをハンドレ・ポラードが決めて、土壇場で南アフリカが逆転。イングランドの猛反撃を抑え、そのまま南アフリカが逃げ切り勝ちを果たした。

 スプリングボクス(南アフリカ代表の愛称)の劇的勝利の一報は至極当然、母国も歓喜に湧いている。南アフリカ最大の都市・ヨハネスブルグを本拠地に置く最古の日刊紙『The Star』の電子版は「スプリングボクスには、まだ闘志がある! 来週末にパリで開催されるW杯で、彼らはタイトルを保持するために戦う」と前回の日本大会に続く、ファイナル進出を速報で報じた。

 同紙は「南アフリカは立ち上がりから精彩を欠き、イングランドに主導権を握られてしまった」と指摘したほど、終始イングランドペースで試合が進められていたが、「スプリングボクスが現実に戻ったのは、最後の15分間だけだった。交代出場のPRオックス・ヌチェが大活躍した」と殊勲の28歳に賛辞を送った。
 
 同市の別日刊紙『Sowetan Live』は「敗北寸前だったイングランド戦を、なんとかW杯決勝の栄光に変える」と胸をなでおろしている。同メディアのリアム・デル・カルメ記者は「ほんの数分前まで、南アフリカは敗色濃厚だった。それが試合終盤、圧倒的なスクラムで彼らは逆転した。オックス・ヌチェとヴィンセント・コッホはベンチから途中出場し、その価値を見事に証明した」と試合の流れを変えた二人を称賛。

 苦戦の原因には、「いつもは相手に与えるプレッシャーも、この雨でスクラム以外はすべてショートしてしまった。スプリングボクスが流れを変えたのは1時間を過ぎてからで、スクラムにエネルギーを注ぎ込んだ」と試合開始前から降り出した雨でボールが滑り、攻撃のリズムをうまく作り出せていなかったと分析している。

 前回王者の底力を示した南アフリカ。決勝(現地28日)はニュージーランドとの頂上決戦となり、どちらが勝っても史上最多4度目の優勝となる。

構成●THE DIGEST編集部

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