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マラソン・駅伝

熾烈を極める「残り1枠」争い! “好記録連発”を期待する一方、瀬古利彦が気がかりな選手とは?「もう一度プライド持ってやるしかない!」

永野祐吏(THE DIGEST編集部)

2023.10.28

MGCCファイナルチャレンジでの好記録に期待を寄せる瀬古利彦氏。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

MGCCファイナルチャレンジでの好記録に期待を寄せる瀬古利彦氏。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 10月15日に東京・国立競技場発着で『マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)』が開催され、男子は小山直城(Honda)が2時間8分57秒・1位で、赤﨑暁(九電工)が2時間9分6秒・2位で、パリ五輪出場権を獲得した。

 残る1枚の代表切符を巡り、今年12月からMGCファイナルチャレンジが行なわれる。日本陸連が指定した男子3大会(福岡国際マラソン、大阪マラソン、東京マラソン)で、設定記録(2時間5分50秒)を突破した最速の選手が内定する。条件に該当する選手がいない場合は、MGC3位の大迫傑(Nike)が選出される仕組みだ。

 MGCで途中棄権を選択した日本記録保持者・鈴木健吾(富士通)をはじめ、東京五輪6位入賞の大迫、ブダペスト世界選手権でメダル射程圏内に入る激走を見せた山下一貴(三菱重工)ら強力メンバーが控えており、熾烈な代表権争いが予想される。

 マラソン解説者の瀬古利彦氏は、「MGC上位選手を含め、2時間5、6分台の選手たち、皆にチャンスがある。コンディションに恵まれれば、2時間4分台、もしくは5分前後の記録を出す選手が10人ぐらい出ると思うので楽しみです」と胸を膨らませた。
 
 一方で、2022年3月の『東京マラソン』で2時間5分28秒と好走して以来、不運続きでまともにレースに参加出来ていない鈴木が気がかりなようだ。

「日本記録を樹立し、第一人者になって...。昨年はせっかく世界選手権に選ばれたけど、新型コロナウィルスに感染し欠場。流れがどんどん悪い方にいってしまっている。結果を出さないといけないという焦りを覚えたのかな。体調が悪いなかで練習し、体のバランスを崩して、それが怪我に繋がってしまっているように感じる」

 マラソン界のレジェンドは、「調子が悪い人に『頑張れ』っていうのも酷だけど」と前置きしたうえで、「月並みな話ですが、もう一度、第一人者としてプライド持ってやるしかない。ここで好記録を出せれば本物だと思う。だから諦めずに戦って、『鈴木健吾はやっぱ違う選手だったな』って言わせてほしい」と期待を寄せた。

取材・文●永野祐吏(THE DIGEST編集部)

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