ロシア・フィギュアスケート界で名指導者として確固たる地位を築くのが、ほかでもない、"鉄の女""鬼コーチ"とも評されるエテリ・トゥトベリーゼ氏だ。普段メディアの前でほとんど話をしない彼女が、珍しくYouTubeチャンネル『Comment Show』のインタビューに応じた。
【画像】号泣するトゥルソワが、恩師トゥトベリーゼの差し伸べた手を払いのける場面
そのなかで、トゥトベリーゼ氏は2022年の北京五輪で起きた一大ハプニングの舞台裏を明かした。女子フィギュアスケートは愛弟子であるアンナ・シェルバコワが金メダルを獲得し、同じ門弟のアレクサンドラ・トゥルソワが銀メダルを奪取。だが、5度の4回転ジャンプを成功させて勝利を確信していたトゥルソワは判定に納得がいかなかった。
トゥルソワはヒステリー状態となり、大粒の涙を流しながら、抱擁しようとしたトゥトベリーゼ氏の手を払いのけて「あなたはすべてを知っていた!」と悪態をついた。「セレモニー(メダル授与式)には出ない」「もうアイスには戻らない」「このスポーツが大嫌い!」といった発言を繰り返して、世界中のファンを驚かせたのは記憶に新しい。
トゥトベリーゼ氏は「北京では何が問題だったのか?」と問われ、「サーシャ(トゥルソワの愛称)はフリープログラムさえ完璧にこなせば、100%優勝できるという固定観念を持っていたの。十分すぎるほどの加点をもらえるとね。でも少しずつステップアウトしていた事実に気づいていなかった。ショートプログラムを重視しないスタンスも影響してしまったのよ」と説明した。
とはいえ、あれだけの癇癪を起こすとは想像していなかったという。「さすがにビックリしたし、予想外の反応だったのは確かよ」と語り、「まあでも、あれがサーシャなの。ロッカールームに戻ってからも私を押して、押して、スケート靴まで投げてきて、私がかわして、って感じだった。でもあれが、サーシャなのよね」と振り返った。
ちなみにトゥルソワは今年2月、ロシア・メディア『Match TV』のインタビューで1年前の出来事を冷静に回想。「自分が号泣している姿を観ると、いろいろなことが思い出されて、やっぱり泣いてしまう。でも、あのようなリクアションになってしまうのはしょうがなかった。すべてを撮影されたくはなかったけど、あの瞬間の私はどうしようもないほど自制できなかったのよ」と話し、「5度の4回転(ジャンプ)は本当に難しいものだった。成功させるためにどれだけの時間と努力を積み重ねたか分からない。だから…望んでいた結果に終わらなくて、恥でしかないと強く感じていたの」と真意を告白している。
昨年10月にトゥトベリーゼ氏の元を離れたトゥルソワは、エフゲニー・プルシェンコ氏への師事を経て、現在はスベトラーナ・スコロフスカヤ氏をコーチと仰ぎ、トレーニングを続けている。
構成●THE DIGEST編集部
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トゥルソワはヒステリー状態となり、大粒の涙を流しながら、抱擁しようとしたトゥトベリーゼ氏の手を払いのけて「あなたはすべてを知っていた!」と悪態をついた。「セレモニー(メダル授与式)には出ない」「もうアイスには戻らない」「このスポーツが大嫌い!」といった発言を繰り返して、世界中のファンを驚かせたのは記憶に新しい。
トゥトベリーゼ氏は「北京では何が問題だったのか?」と問われ、「サーシャ(トゥルソワの愛称)はフリープログラムさえ完璧にこなせば、100%優勝できるという固定観念を持っていたの。十分すぎるほどの加点をもらえるとね。でも少しずつステップアウトしていた事実に気づいていなかった。ショートプログラムを重視しないスタンスも影響してしまったのよ」と説明した。
とはいえ、あれだけの癇癪を起こすとは想像していなかったという。「さすがにビックリしたし、予想外の反応だったのは確かよ」と語り、「まあでも、あれがサーシャなの。ロッカールームに戻ってからも私を押して、押して、スケート靴まで投げてきて、私がかわして、って感じだった。でもあれが、サーシャなのよね」と振り返った。
ちなみにトゥルソワは今年2月、ロシア・メディア『Match TV』のインタビューで1年前の出来事を冷静に回想。「自分が号泣している姿を観ると、いろいろなことが思い出されて、やっぱり泣いてしまう。でも、あのようなリクアションになってしまうのはしょうがなかった。すべてを撮影されたくはなかったけど、あの瞬間の私はどうしようもないほど自制できなかったのよ」と話し、「5度の4回転(ジャンプ)は本当に難しいものだった。成功させるためにどれだけの時間と努力を積み重ねたか分からない。だから…望んでいた結果に終わらなくて、恥でしかないと強く感じていたの」と真意を告白している。
昨年10月にトゥトベリーゼ氏の元を離れたトゥルソワは、エフゲニー・プルシェンコ氏への師事を経て、現在はスベトラーナ・スコロフスカヤ氏をコーチと仰ぎ、トレーニングを続けている。
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