ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一戦が12月26日、東京・有明アリーナで行われ、WBC＆WBO王者・井上尚弥（大橋）がWBA＆IBF王者マーロン・タパレス（フィリピン）に10回1分2秒KO勝ちを収めた。男子では史上２人目となる「２階級４団体統一」の歴史的偉業を成し遂げ、同時に日本人最多タイの世界戦通算勝利数を21に伸ばした。戦績は井上が26戦26勝（23KO）、タパレスが41戦37勝（19KO）4敗となった。
 
　試合後、タパレスは「神様に感謝。私に幸運の女神はほほえまなかったが感謝している」と第一声を発すると、敗因には井上のスピードを挙げ、「スピードに追いつけなかった」と明かした。そして、「とにかく言えることは、私のチームはできることはすべてやった。できること、すべきことはやったが、起きるべきことが起きてしまった」と井上の強さに脱帽といった様子を見せた。

　一方で、タパレス陣営の面々は井上に対する健闘に胸を張る。タパレスをサポートするプロモーターが「試合が終わって（世界６階級制覇王者の）パッキャオからも『（タパレスは）フィリピンのプライド』を見せてくれたねとメッセージがきた。この試合の前にはタパレスはKOでやられる、１・２ラウンドでやられると予測されていたが、この試合でタパレスの実力をしっかり見せてくれたと思う」と言えば、セコンドに就いたトレーナーも清々しい表情で「今晩できる事はすべてやり遂げた。対戦相手（井上）をすごく苦戦させたと思う。今までの試合で一番良かったと思う。タパレスはいずれワールドチャンピオンになれると思う」と今後への期待もにじませた。

構成●THE DIGEST編集部

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