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格闘技・プロレス

予想外の抵抗も... 井上尚弥、着弾146発の衝撃データが示すタパレスとの圧倒的な差「これで苦戦したと思われるのがモンスター」

THE DIGEST編集部

2023.12.27

井上が粘るタパレスを10ラウンドでマットに沈めた。写真:福冨倖希

井上が粘るタパレスを10ラウンドでマットに沈めた。写真:福冨倖希

 モンスターの強さはデータからも証明されている。

 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一戦が12月26日、東京・有明アリーナで行なわれ、WBC&WBO王者・井上尚弥(大橋)がWBA&IBF王者マーロン・タパレス(フィリピン)に10回1分2秒KO勝ち。男子では史上2人目となる「2階級4団体統一」の歴史的偉業を成し遂げた。同時に日本人最多タイの世界戦通算勝利数を21に伸ばした。戦績は井上が26戦26勝(23KO)、タパレスが41戦37勝(19KO)4敗となった。

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 試合は4ラウンド、序盤から手数で上回る井上がタパレスを捕らえ、ついにダウンを奪う。続く5ラウンドも井上が圧倒的な攻勢を見せ、このまま決着するかに思われた。しかし、意外にもタパレスが粘りを見せ、勝負は長期戦の様相を呈していく。それでも10ラウンド、井上は疲れの見えたタパレスに対し、確実に強烈なパンチをヒットさせていくと、1分2秒に右ストレートで決着をつけた。

 予想外の粘りに遭ったものの、井上の強さはスタッツ面でも際立った。米ボクシングデータ会社『COMPUBOX』は井上―タパレス戦のパンチ着弾数のデータを紹介。それによれば、井上は全体で401発のパンチを放ち、146発が着弾(うちボディ39発)。対して、タパレスは310発のパンチで52発着弾(うちボディ17発)と、井上がヒット数で約3倍上回った。また、パワーパンチの数でも井上の114発に対し、タパレスが43発で井上が大きく上回る。

 同メディアはスタッツとともに試合レビューを掲載。序盤の戦いぶりを「井上は最初の3ラウンドで、パワーパンチ24対5でアドバンテージを築いた」としたうえで、最もタパレスが健闘を見せたのはダウンを喫した第4ラウンドで、「53発のパワーパンチを繰り出し、最高のファイトを見せた」と振り返った。しかし井上も47発のパワーパンチで24発を着弾させ、ダウンを奪った。

 そして井上のペースが落ちた第7、8ラウンドこそ井上の着弾数は一桁に落ちたものの、第9ラウンドに再び18発の着弾数で圧倒すると、第10ラウンド1分すぎに右ストレートで勝負を決めた。米メディア『BLEACHER REPORT』も「タパレスのベストラウンドはパワーパンチ12発を当てた5ラウンドだったが、モンスターが危険にさらされているように見える瞬間は一度もなかった」と振り返っている。

 また、このデータを目にした日本人ファンからは「もう圧勝よ。流石」「普通に圧勝だったけど、井上尚弥に求められてるパフォーマンスって、これ以上なんだよな(笑)辛すぎるだろ」「これで苦戦したと思われるのがモンスター井上尚弥」「このスタッツはヤバイ…」などとコメントが寄せられた。

 タパレスの粘りも称賛に値するとはいえ、やはりデータ面からも井上の圧勝という見方は揺るがないようだ。

構成●THE DIGEST編集部

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