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格闘技・プロレス

「勝ちたかったなぁ」RIZINのリングで覚悟を示した41歳・金原正徳の“生き様”。息子に伝えたベルトよりも価値のある金言とは?

橋本宗洋

2024.04.30

RIZINフェザー級王座で敗れた金原。試合後は自らの格闘人生を振り返るようなコメントを残した。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

RIZINフェザー級王座で敗れた金原。試合後は自らの格闘人生を振り返るようなコメントを残した。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 予想外の結果であり、予想通りの結果でもあった。

 4月29日に東京・有明アリーナで開催された『RIZIN.46』のメインイベント・フェザー級タイトルマッチ。同級王者の鈴木千裕に金原正徳が挑んだ一戦は、鈴木がワンサイドのTKOで勝利を収めた。1999年生まれ、23歳のRIZIN最年少チャンピオンが41歳の最年長チャレンジャーを下して初防衛に成功した。

 キックボクシングのチャンピオンでもある鈴木は拳を大胆に振るうストライカー。対する金原は経験豊富なオールラウンダーで、前戦では元王者のクレベル・コイケ(ブラジル)に完勝を収めている。トータルな実力で言えば、金原が間違いなく上。そんな声は多かった。一方で鈴木の勢い、爆発力を支持する声もあり、どちらにしても「面白い試合になる」と語っていたのは金原自身だった。
 
 そして、実際にそうなった。序盤、鈴木は金原のテイクダウンを阻止すると打撃で主導権を握る。1ラウンド終盤、一気にラッシュをかけると倒れた金原にパウンドを連打。圧巻の攻撃でレフェリーストップを呼び込んだ。

 今回の試合では、金原から学ぶことも多かったという23歳の王者は歓喜を味わうと、さらに「高みを目指す」と誓った。それは王者として、選手としての精神性だ。「チャンピオンは“ズッシリ”構えてなきゃいけない」と豪語する。一方、痛恨の敗北を喫した金原は「ガードの上から効かされてしまった」と試合を振り返るが、その姿は落ち着いていた。

「やれることはやってリングに上がったので。悔いはないですね」

 そう語った41歳のベテラン・ファイターはひとまずは戦列を離れ、休養を取ると明言。「またやりたくなったらやるし、(プロモーターから)求められなければそれまでだし」とも話し、今後の復帰についても含みを持たせた。
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