プロボクシングの4大世界戦が東京ドームで行なわれ、WBA世界バンタム級タイトルマッチは王者・井上拓真(大橋)が同級1位・石田匠(井岡)と対戦。注目の日本人対決はフルラウンドまでもつれ込み、3-0の判定勝ちで井上が2度目の防衛に成功した。
”モンスター”こと、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥の実弟である拓真は、昨年4月に偉大な兄が返上したWBA世界バンタム級正規王座を判定勝利で獲得。今回は指名試合として、2度目の防衛戦を迎えた。
井上は1回にいきなり石田の左ジャブがカウンター気味に顎にヒットし、ダウンする波乱のスタート。しかし、第2ラウンド以降は気合を入れ直したのか、パンチの手数を出して積極的に前に進んだ。
ラウンドを重ねるごとに井上が主導権を握り、石田に決定打を打たせない。10回にはKOを狙う気迫を見せ、右フック、右アッパーなど激しい打ち合いを挑み、相手の顔面に3発食らわす場面もあった。
闘争心溢れるファイトスタイルは衰えず、引き続き圧力をかける王者は力強い右フック、ジャブを応酬。一方、石田も負けじと高い技術力でパンチを見極めながら右ストレートを放つなど、熱い打ち合いが展開された。
最終12ラウンドは割れんばかりの大歓声でスタート。最後までアグレッシブなボクシングをお互い見せたが、結局決定打は出ず。序盤にダウンを喫した王者だったが中盤から有利に試合を進めて、最後は競り勝った。
試合後のインタビューでは「想像以上の石田選手のジャブのやりずらさで苦戦した」と振り返り、「今日は勝てた、それだけがただの収穫。こんな内容では統一戦とは言ってられない。課題をクリアしてもっと強いチャンピオンになりたい」と反省の弁を述べた。
反省と収穫を得てベルトを防衛した拓真。メインイベントに登場する兄・尚弥に向け、自らの拳でエールを送った。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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反省と収穫を得てベルトを防衛した拓真。メインイベントに登場する兄・尚弥に向け、自らの拳でエールを送った。
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