43戦42勝41KO――。群雄割拠となっているボクシングのヘビー級で、文字通りの圧倒的な戦績を残しているのが、アメリカ人ファイターのデオンテイ・ワイルダーだ。
2008年のプロデビュー戦で、イーサン・コックス(アメリカ)にTKO勝ちを収めて以来、無敗街道を突き進む34歳のワイルダー。昨年11月23日に開催されたヘビー級3位ルイス・オルティス(米国)とのWBC王座防衛戦では、名手の一瞬の隙を突いた鋭い右ストレートで豪快なKO勝利を収め、アメリカの老舗ボクシング誌『The Ring』の年間最高KO賞を手にしてもいた。
KO勝率98パーセントと驚異的な数字を残している“怪物”は、歴代のヘビー級の猛者たちと比較した場合にどうなるのか? そんな興味深いテーマに切り込んだのが、アメリカのボクシング専門メディア『World Boxing News』である。
日々あらゆる階級のボクシングの情報を追う同メディアは、「ワイルダーのKO記録をタイソンとフォアマンと比較してみた」と銘打った特集記事を掲載。「ワイルダーはリングで対戦相手を無力にさせる己の能力を証明してきた。今もトップレベルに君臨するに値することを我々に再認識させている」と綴ったうえで、こう続けた。
「ワイルダーは、現代において、タイソン、フォアマンに匹敵し、最も恐ろしいパンチを持つボクサーの一人となった。彼は41KOと猛烈な強さを誇り、ワンパンチでとてつもない衝撃を与える。タイソンやフォアマンも豊富なパンチを誇っていたが、ワイルダーは、それ以上かもしれない」
さらに同メディアは、ボクシング史に名を残す両レジェンドとワイルダーを個別に比較、分析をしている。
まず、タイソンについては、「『アイアン・マイク(鉄腕マイク)』はボディー、顔を的確に打ち分けていた。このニューヨーカーは、その効率的なコンビネーションを駆使して、相手に恐怖を与えていた」としたうえで、「ワイルダーは相手をどう倒すかは気にしていない。ハイライトで毎回見るように、私たちは何度も何度も同じ光景を見ている」とワイルダーの方が豪快さに長けるとした。
一方、現役時代に81戦を戦って83パーセントものKO率を誇ったフォアマンについては、次のようにワイルダーと比較した。
「“ビッグ・ジョージ”は、その企画外の大きさが大きな武器となった。そして、繰り出された相手を打ち壊すようなパンチは、相手の骨を揺さぶったという。ジョー・フレイザーとケン・ノートンに打ち勝った伝説の戦いは、いずれも破壊的な勝利だった。
また、45歳まで現役だったことはフォアマンがどれだけ偉大な選手だったことを表すもう1つの理由である。彼に言わせると、パワーというのはパンチャーたちにとって最後まで残るものであるという。もし、それが本当なら一撃必殺に優れるワイルダーは50歳になっても相手をKOできるだろう」
来る2月22日にキャリアで唯一、引き分けとなった元3団体統一王者のタイソン・フューリー(イギリス)との“因縁の再戦”に臨むワイルダー。果たして、タイソン、フォアマンというレジェンドとも比較されるほどの当代最強ボクサーは、その拳で己が史上最強であることをアピールできるだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
2008年のプロデビュー戦で、イーサン・コックス(アメリカ)にTKO勝ちを収めて以来、無敗街道を突き進む34歳のワイルダー。昨年11月23日に開催されたヘビー級3位ルイス・オルティス(米国)とのWBC王座防衛戦では、名手の一瞬の隙を突いた鋭い右ストレートで豪快なKO勝利を収め、アメリカの老舗ボクシング誌『The Ring』の年間最高KO賞を手にしてもいた。
KO勝率98パーセントと驚異的な数字を残している“怪物”は、歴代のヘビー級の猛者たちと比較した場合にどうなるのか? そんな興味深いテーマに切り込んだのが、アメリカのボクシング専門メディア『World Boxing News』である。
日々あらゆる階級のボクシングの情報を追う同メディアは、「ワイルダーのKO記録をタイソンとフォアマンと比較してみた」と銘打った特集記事を掲載。「ワイルダーはリングで対戦相手を無力にさせる己の能力を証明してきた。今もトップレベルに君臨するに値することを我々に再認識させている」と綴ったうえで、こう続けた。
「ワイルダーは、現代において、タイソン、フォアマンに匹敵し、最も恐ろしいパンチを持つボクサーの一人となった。彼は41KOと猛烈な強さを誇り、ワンパンチでとてつもない衝撃を与える。タイソンやフォアマンも豊富なパンチを誇っていたが、ワイルダーは、それ以上かもしれない」
さらに同メディアは、ボクシング史に名を残す両レジェンドとワイルダーを個別に比較、分析をしている。
まず、タイソンについては、「『アイアン・マイク(鉄腕マイク)』はボディー、顔を的確に打ち分けていた。このニューヨーカーは、その効率的なコンビネーションを駆使して、相手に恐怖を与えていた」としたうえで、「ワイルダーは相手をどう倒すかは気にしていない。ハイライトで毎回見るように、私たちは何度も何度も同じ光景を見ている」とワイルダーの方が豪快さに長けるとした。
一方、現役時代に81戦を戦って83パーセントものKO率を誇ったフォアマンについては、次のようにワイルダーと比較した。
「“ビッグ・ジョージ”は、その企画外の大きさが大きな武器となった。そして、繰り出された相手を打ち壊すようなパンチは、相手の骨を揺さぶったという。ジョー・フレイザーとケン・ノートンに打ち勝った伝説の戦いは、いずれも破壊的な勝利だった。
また、45歳まで現役だったことはフォアマンがどれだけ偉大な選手だったことを表すもう1つの理由である。彼に言わせると、パワーというのはパンチャーたちにとって最後まで残るものであるという。もし、それが本当なら一撃必殺に優れるワイルダーは50歳になっても相手をKOできるだろう」
来る2月22日にキャリアで唯一、引き分けとなった元3団体統一王者のタイソン・フューリー(イギリス)との“因縁の再戦”に臨むワイルダー。果たして、タイソン、フォアマンというレジェンドとも比較されるほどの当代最強ボクサーは、その拳で己が史上最強であることをアピールできるだろうか。
構成●THE DIGEST編集部