７月16日、都内でプロボクシングの記者発表会見が開かれ、世界スーパーバンタム級４団体統一王者の井上尚弥が９月３日、東京・有明アリーナで元IBF同級王者テレンス・ジョン（TJ）・ドヘニー（アイルランド）と防衛戦を実施することが正式決定した。

　井上は５月６日の東京ドーム興行で元世界２階級制覇王者ルイス・ネリ（メキシコ）を６回TKOで撃破し、４つのベルトを見事に防衛した。次なる相手は直近３試合で自身が所属する大橋ジムの興行に出場していたドヘニーを選んだ。東京ドームでの試合が終わってから大橋会長から話を聞いた時は「気の抜けない相手」と率直に思ったという。「ここ最近すごくいい試合をしている。試合を通して実力を発揮する選手」と元世界王者の実力を、そう評した。
  　ドヘニーは34年ぶりに開催された東京ドーム興行でリングに上がり、第１試合でブリル・バヨゴス（フィリピン）と対戦し、４回２分51秒でTKO勝利を収めた。メインの統一戦でネリのリザーバーとしてスタンバイしていたことでも周知されている。「僕がよくジムでスパーする（後輩の）中嶋（一輝）と（スパーリングパートナーの）ラミドが倒されている。もちろん一発は警戒しながら、一発も触れさせないという気持ちで自分のボクシングを展開したい」と相手のパンチ力を警戒しつつも、己のスタイルに自信を示した。

「前回、東京ドームでの大きな舞台を終えたばかりで、皆さんがこの試合の決定をどう思うか分からないですけど、自分の中ではすごく気の抜けない試合ですし、この試合をしっかりクリアして、この先スーパーバンタムを見据える戦いをしていきたい」

　黄金に輝く４つのベルトを前に、絶対王者から油断は感じられない。

取材・文●湯川泰佑輝（THE DIGEST編集部）

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