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ドヘニーは「役不足か?」井上尚弥に油断なし! ”東京D超え”を宣言も「まったくない。あと2年くらいはスーパーバンタム級でやる」

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2024.07.16

井上は黄金に輝く4つのベルトを手にして記念撮影に収まった。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 7月16日、都内でプロボクシングの記者発表会見が開かれ、世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥が9月3日に有明アリーナ(東京)で元IBF同級王者テレンス・ジョン(TJ)・ドヘニー(アイルランド)と防衛戦を実施することを発表した。

 所属する大橋ジムの大橋秀行会長を伴って登壇した井上は、5月6日の東京ドーム興行で元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)を6回TKOで撃破し、同級の防衛に初成功した。2度目のタイトル防衛戦として対峙するのは、卓越したテクニックと試合の流れを変えるパンチ力を併せ持つ元世界王者ドヘニー。ネリや元2団体統一王者でWBA世界同級1位ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)と比較すると、少し物足りなさが否めず、一部の海外メディアからは井上の対戦相手として「役不足だ」という声も少なくない。

 しかし、井上は会見でそういった印象について「まったくないですね」と一蹴。「その声に関しては、この試合後に引退するわけでも、階級を変えるわけでもないので、楽しみに待っていてほしい。あと2年くらいはこの階級でやることを考えている。今回はドヘニーだったというだけなので」と話し、「次の対戦を含めて、皆さんに楽しんでいただけるカードを大橋会長が組んでくれると思う」と同会長に全幅の信頼を寄せる。
 
 ボクシング興行としては34年ぶりに開催された東京ドームでの大舞台を成功させ、キャリアとして大きな足跡を刻んだ。「それを超えられるようなパフォーマンスをしないといけない。あれで燃え尽きるのではなく、加速させていく」と頼もしい言葉も飛び出した。

 懸念材料として、これまでは約6か月の期間を空けて試合をこなしていたが、今回は試合間隔が4か月と短い。「年3試合のペースは2017年ぶり。その時と比べて体も多少変わってきていると感じるし、疲れの抜け具合だったりを多少感じているところもある」と肉体の変化を自覚しつつも、「そこをカバーするキャリアを積んできていると思う。そこはプラスに考えてやっていきたい」と話し、問題ないことを強調。万全の仕上げを約束した。

 会見後は、黄金に輝く4つのベルトを手にしてフォトセッションに臨んだ井上。その表情からも油断はなく、絶対王者の風格がビシビシと伝わってきた。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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