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体操

体操ニッポン、団体戦2大会ぶりの金メダル!! ライバル・中国が鉄棒で2度も落下するまさかのミス。劇的大逆転で王座奪還!【パリ五輪】

THE DIGEST編集部

2024.07.30

日本は団体戦で2大会ぶりの金メダルを獲得。劇的な展開で頂点に輝いた。(C) Getty Images

日本は団体戦で2大会ぶりの金メダルを獲得。劇的な展開で頂点に輝いた。(C) Getty Images

 体操ニッポンが2大会ぶりの王座奪還だ。

 現地7月29日、パリ五輪の体操男子団体決勝が行なわれ、日本が劇的な形で金メダルに輝いた。完璧な演技を続けていたライバルの中国が鉄棒で落下するミスが出て、日本は合計259.594点で中国を0.532点差上回り大逆転。2016年リオデジャネイロ大会以来の頂点に立った。

 体操の団体総合は1チーム4人が演技し、各種目の上位3人による総得点で争う。得点方式は5人のうち種目ごとに3人を選んで演技する。3人の合計得点で争うため、ひとつのミスが命取りになる。中国に次ぐ予選2位で決勝に進んだ日本はエースの橋本大輝、岡慎之助、萱和磨、杉野正尭、谷川航とともに東京五輪で逃した団体総合での金メダル奪還を狙った。

 日本の種目順はライバル・中国と同じ、ゆか→あん馬→つり輪→跳馬→平行棒→鉄棒というローテーションでスタートした。

 1種目めの「ゆか」のトップバッターは萱が務め、まずまずの演技でスタート。2人目の橋本はG難度の大技「リジョンソン(後方かかえ込み2回宙返り3回ひねり)」を決め、精度の高い演技で14.633点を叩き出した。演技後には豪快なガッツポーズが飛び出すほど、予選で精彩を欠いたエースがチームを勢い付けた。3人目は初出場の岡が務め、こちらもミスのない演技でまとめ14.633点とし、笑顔が弾けた。

 2種目めの「あん馬」は東京大会の種目別で銅メダルを獲得している萱が素晴らしい演技を披露する。旋回のスピードを落とさず、着地をピタッと決めると「しゃあー!!」というド派手なガッツポーズが飛び出し、チームメイトからは「すごすぎる!」という驚きの声が上がり、予選よりも得点を伸ばした。2人目は初出場の杉野がミスのない演技で続いたが、3人目の橋本が3つ目のE難度でまさかの落下。エースが痛恨のミスを犯してしまい1点の減点。肩を落としたエースにチームメイトは「絶対いけるよ!」と声をかけて勇気づけた。ライバルの中国はここまで、3人がミスのない完璧な演技が続いた。

 金メダルのためには、もうひとつのミスも許されない日本。「つり輪」に絶対的な強さを持つ中国が完璧な演技を見せるなか、日本はトップバッターの萱がノーミスで終え、2人目の岡もうまくまとめる。3人目には谷川が登場し、ラストにE難度の技をみせて着地も完璧に降りる。14.500点と高い得点をマークした。

 前半の3種目を終えて日本は128.231点で5位。一方の中国は131.364点でトップに立ち、2位にアメリカ(130.163点)、3位にイギリス(128.429点)、4位にウクライナ(128.231点)と続き、日本は3.133点で中国の背中を追いかける展開で後半に折り返した。
 
 4種目めは「跳馬」。あん馬で悔しい落下があった橋本が勢いある助走から高さと距離十分の「ロペス」をしっかり決め、ほぼ減点なしの14.900点で演技後はホッと安堵した表情を見せた。3人目の谷川は難度の高いリ・セグァン2に挑戦したが膝が曲がっており、ドラグレスクの判定を受けてしまう。高い跳躍を見せたが、着地が一歩前に出てしまい得点は伸ばせず。日本は4種目めを終えて171.664点の4位で、トップの中国とは1.799点差。3位のアメリカから5位のイギリスまで、1.200点差とメダル争いでも僅差で終える。

 緊張感が漂う平行棒で、中国が金メダルに向かってトップ(219.296点)を快走するなか、日本は萱が団体決勝の種目をノーミスで終える14.733点をマークした。ミスが許されないなか、2人目の岡はマクーツ、バブサー、ティッペルトと難度の高い技を完璧に成功。丁寧な演技で着地も降り、合計14.866点を挙げた。5種目めを終え、日本は合計216.029点で2位。以下アメリカ、ウクライナと続き、最後の鉄棒に臨んだ。

 メダルの色が決まる鉄棒。3位のアメリカが猛追するなか、日本は鉄棒のスペシャリストである杉野がペガン、コバチ、コールマンを次々に決めて着地も成功。20歳の岡も伸身のトカチェフなどミスのない演技で続くが、中国も1人目はノーミスで終える。

 このまま中国の金メダルが濃厚かと思いきや、中国の2人目で波乱が起こる。なんと2度も落下してしまい、まさかの2点減点。流れが日本に傾くと、橋本が東京大会で金メダルに輝いた種目でエースがエースたる所以の完璧演技で14.566点をマーク。中国の3人目は着地が少し乱れ、日本の得点にわずかに届かず。日本が最後の最後で中国をかわし、大逆転で2大会ぶりの団体戦金メダルに輝いた。

 なお銀メダルは中国、銅メダルはアメリカ。日の丸が2大会ぶりにセンターポールに掲げられた。

構成●THE DIGEST編集部

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