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「リスペクトしてと言っているようだ」体操団体で橋本大輝が咄嗟に見せた”スポーツマンシップ”を銅メダル米国も絶賛! 米放送局が日本のエースに敬服【パリ五輪】

THE DIGEST編集部

2024.07.30

橋本は自身の演技直後、人差し指を口元にあてて静かにするよう観客に求めた。(C)REUTERS/AFLO

橋本は自身の演技直後、人差し指を口元にあてて静かにするよう観客に求めた。(C)REUTERS/AFLO

 団体金メダルを決めたエースの振る舞いが、海外でも広まっている。

 現地7月29日、パリ五輪は体操の男子団体決勝が行なわれ、日本が金メダルに輝いた。中国との一騎打ちを最後の最後で逆転する劇的な展開で、2大会ぶりに日の丸が真ん中に掲げられた。
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 5種目めを終えた段階で、日本は首位を走る中国と3.267点差で最終種目を迎えた。鉄棒での演技によってすべてが決着する状況のなか、ここで誰もが予想しない大波乱が起こった。

 ここまで完璧な演技を続けていた中国の2人目が鉄棒で落下。1点減点となり動揺したのか、仕切り直しとなった演技でも再び落下するまさかのミスが起きた。チームメイトは信じられない事態に頭を抱え、本人は茫然自失だった。会場も騒然とするなか、一気に日本の金メダルが現実味を帯びた。

 とてつもない緊張感のなか、日本は橋本大輝にすべてを託した。2種目めのあん馬で痛恨の落下を犯していたエースは、ノーミスの演技で着地。会見の出来に橋本はガッツポーズが飛び出し、会場は割れんばかりの大歓声に包まれた。だがこの直後に、エースはスポーツマンシップたる仕草をすぐに見せる。次に演技を控える中国選手のため、なんと橋本は歓声を少しでも抑えるよう人差し指を口元にあて、静かにするよう観客に求めた。それだけでなく、両腕で歓声を抑えるポーズも見せ、中国の3人目が演技しやすい雰囲気になれるよう協力を求めたのだ。

 結果的に中国は銀メダルに終わったが、表彰台に上がる直前には日本と銅メダルだったアメリカの選手全員が固い握手を交わし、互いの健闘を称えあう美しい場面もあった。
 
 橋本が咄嗟に見せたスポーツマンシップにライバル国も絶賛している。米放送局『NBC Sports』は「ダイキ・ハシモトは(中国の選手を)リスペクトしてと(観客に)言っているようだ」と橋本の仕草に注目。「この2人は本当に素晴らしい。ライバルであり、友人だからだ」とお互いを気遣う姿を称賛した。

 同局の電子版でも、このスポーツマンシップに反応を寄せている。記事では「日本が中国に勝つには、鉄棒の王者であるハシモトの並外れた才能が必要だった。そして彼は期待に応え、彼の素晴らしいスポーツマンシップを含むパフォーマンスと、中国の2つの失態が相まって、日本は2016年のリオ五輪で獲得した団体金メダルを再び掴み取った」と記し、日本チームの逆転勝利を称えた。

 橋本は悲願の団体金メダルについて、「みんなに助けられた金メダルだと思っていて、この4人(岡慎之助、萱和磨、杉野正尭、谷川航)がいなかったら絶対取れなかったし、僕もこの4人のおかげで最高の演技を出すことができた」と話し、チームメイトへの感謝を示している。

構成●THE DIGEST編集部

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