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「本物の柔道家だ!」“疑惑の判定”に悔しさ噛み殺し、潔く負けを認める村尾三四郎にファン感動!「アスリートを超えた存在」【パリ五輪】

THE DIGEST編集部

2024.08.01

試合後にベカウリを称える村尾(右)。写真:AP/アフロ

 パリ五輪柔道90キロ級の試合が現地7月31日に行なわれ、日本代表で五輪初出場の村尾三四郎が決勝戦に臨み、技ありを奪う活躍を見せるが惜しくも敗戦。しかし銀メダルに輝いた。

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 初の五輪の舞台。初陣となった2回戦から開始わずか44秒で一本勝ちを収め鮮烈な五輪デビューを飾ると、続く準々決勝でも落ち着いた試合運びで相手の指導3つ目を引き出した。そして準決勝では、地元フランスのマキシムゲール・ヌガヤプハンボの素早い力技を冷静にいなし、小外刈りで技あり、残り27秒で大外刈りで技あり合わせ技一本。銀メダル以上を確定させた。

 迎えた運命の決勝戦、相手は東京五輪で初出場金メダル、現世界ランク1位の"最強"ラシャ・ベカウリ(ジョージア)。村尾は開始15秒で内股をかけるなど攻めの姿勢を見せると、1分経過したところで大外刈りで技ありを奪う。寝技で時間を使うと窮地に立たされたベカウリの攻撃にも冷静にカウンターを返す。

 しかし残り1分20秒で今度はベカウリに技ありを奪われ並ばれてしまう。残り27秒、村尾は内股を仕掛けると技ありを奪ったかにみえたが、これがまさかのポイントなし。直後に小外刈りを仕掛けた村尾にベカウリが隅返しで技あり、合わせ技一本。勝利を掴みかけていただけに悔しい敗戦となった。

 敗北の直後には判定が信じられないという表情を浮かべていたが、審判に礼を促されると深くお辞儀。好試合をともに繰り広げた最大のライバルを称えた。畳を降りた後には会場中央をじっと見つめ、また感情を爆発させるベカウリの姿を目に焼き付けた。

 その後のインタビューでは「本当に悔しいなという思いです」と試合を回顧し、込み上げる悔しさを噛み殺し涙腺が緩みながらも背を向け、カメラに涙は見せない村尾。「どんな状況になっても勝つ準備はしてきたので自信を持って戦ったんですけど、自分の目指していた金メダルが取れなくて内容どうこうってよりも負けっていうのは自分にとってもきついものでそこが本当に悔しさが残ります」と語った。

 リオ五輪、東京五輪の金メダリストで解説の大野将平氏は村尾の姿を見て「涙をこらえ涙を見せないそういった強い姿勢に胸を打たれました」とし「何が足りないんだろう、そういった自問自答が見えるような表情をしていたかなと思いました」と続けた。

 この敗戦後の村尾の気丈な姿を見たファンからは、
「悔しくて仕方ないはずなのに潔く負けを認める姿はかっこいい」
「奥に秘めた熱い気持ちを感じた。まさに武士道という感じ」
「判定のせいにせずあくまで自分の力不足ととらえる向上心、本物の柔道家だ!」
「アスリートを超えた存在」
と感動する声が上がった。

構成●THE DIGEST編集部

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