どうやらドイツのファンは"お騒がせカップル"に否定的のようだ。

　現地８月２日、パリ五輪・陸上の混合４×400メートルリレー予選が開催され、決勝進出が期待されたドイツ代表チームは予選２組でなんと７着に沈んでしまう。この結果を受けてドイツ全国紙『BILD』がショッキングな内幕をすっぱ抜いた。「シュミット隊でトラブルが発生した。トップから5.02秒も遅れたレースの直後、チームメイトたちが不満をぶちまけたのだ」と記し、代表チームの仲間であるジャンポール・ブレダウのコメントを紹介している。
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　第１走者を務めた男子ランナーのブレダウは「全員が納得していたわけじゃない決定がなされた。だからトラックであんな結果に終わったんだ。他のひとは違った見方をするかもしれないけど、僕はそう思っている」と話した。

『BILD』紙は「何を意味するのかをブレダウは明確にしなかったが、おそらくはリレーメンバーの人選に関する批判だろう」と論じる。ブレダウの恋人であるルナ・ブルマーンは同じくリレー代表メンバーだが、混合リレーには選ばれなかった。ブルマーンはレース前にSNSを更新した際、「イエス、私は記録上で２番目に速い400メートル走者だった。ノー、私はそれでも混合リレーにノミネートされなかった」と告白していたのだ。

　ブレダウ＆ブルマーンのカップルが問題視したのは、欧米メディアが「世界一セクシーなアスリート」と謳い、インスタグラムのフォロワー数が520万を超える人気者のアリカ・シュミットの選出である。たしかに女子メンバーのなかでシュミットの400メートルの持ちタイムは３番目。アイリーン・デメス（51.63秒）、ブルマーン（51.72秒）、シュミット（52.18秒）の順だ。そんななかでシュミットは第２走者に指名された。ブレダウとブルマーンは不当な落選だと主張したのである。
  　リレー代表の主将を務めるシュミットは、すぐさま報道陣の前で私見を述べた。「レースの前に意見の相違があったのは事実」と認めつつ、「ただ私たちはひとつのチームであり、団結すべきだとしか言えない。コーチが決めたことを信用すべきで、次のレースに向けてメンタル面も準備しなければならない」と神妙な表情で言葉を絞り出した。

　翌日になって『BILD』紙は続報を掲載した。「ブレダウとブルマーンは共同で管理しているSNSのコメント欄を突如制限した。ファンからの批判コメントが殺到したからだ」と報じた。そのうえで「第１走者のブレダウのタイムに関して、多くの者が疑念を抱いている。なんと今季400メートルの自己ベストより1.7秒近くも遅かったのだ。はたして偶然だろうか？　ファンのなかには恋人が選出されなかったことを理由に、彼がわざと全力で走らなかったと考える者が少なくなく、SNSに非難が集中したのだろう」と推測した。

　本当にブルマーンの不選出に対する抗議か、あるいはベストメンバーでなければ結果はこうなると示すためか、それとも単にコンディション面で力を出し切れなかったのか。現時点で真相は判然としていない。

　さらに同メディアは「土曜日にもドイツ陸上連盟は、ブレダウとブルマーンのリレー代表チームからの除外を決定するだろう。ブレダウは個人での400メートルには出場するが、ふたりは男女のリレー競技にはエントリーしない」と付記している。

構成●THE DIGEST編集部

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