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トライアスロン選手の入院・体調不良者が続出も…大会組織委は“セーヌ川汚染”との因果関係を否定「基準に照らし合わせて開催決定を下している」【パリ五輪】

THE DIGEST編集部

2024.08.05

7月31日に行なわれたトライアスロン個人のレース後、ベルギーの選手が大腸菌感染で入院していたことが明らかになった。(C)Getty Images

 現地8月4日、ベルギー五輪委員会が7月31日のトライアスロン個人に出場した女性選手クレア・ミシェルがレース後に体調不良を訴えて入院したと発表した。

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 トライアスロンの水泳会場となっているセーヌ川の水質汚染が懸念されていた。個人レースの前々日から上流で雷雨が発生し、大量の生活排水がセーヌ川に流れ込んで水質が悪化。事前の公式練習と男子レースがそれぞれ延期となっていた。ただ、7月31日には「水質が改善された」として男女の個人レースが強行されていた。

 ミシェルはレース後に体調不良を訴えて入院。ベルギー紙『De Standaard』は、「大腸菌に感染していることが調査の結果判明した。胃や腸の問題を引き起こす可能性があり、その原因は汚染されたセーヌ川にある可能性がある。ミシェルは4日間の入院を経て選手村に戻った」と伝えた。
 
 同じベルギー女子チームで、7月31日のトライアスロン個人に出場したジョエリン・ヴェルメーレンは、セーヌ川での水泳セッションの際、「考えたくないものを見たり、においを嗅いだりした」と語り、カナダ選手はレース後に嘔吐を繰り返した。

 医師でもあるスペイン選手ミリアム・カシージャスは「アスリートへの配慮がなかった。選手の健康を考えるなら、プランB(別の場所での開催)があったはず。主催者はセーヌ川が舞台というイメージを優先した」と非難していた。

 大会組織委員会は、ミシェルの入院を受けて「一日も早い回復を祈っています」と気遣った一方、体調不良とセーヌ川の水質汚染の因果関係は否定。「毎日のように水質検査を行なっており、その検査結果を健康基準に照らし合わせ、最終的に国際トライアスロン連盟によって開催の決断が下される」と、安全面に問題はないと強調した。

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