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「公に不満を訴える選手もいるが…」会場や選手村で“フードロス”減らすため「食品を生活困窮者に配布」住民は「とても助かっている」と感謝【パリ五輪】

THE DIGEST編集部

2024.08.08

選手村の食べた食事について発言し、話題になった競泳男子100メートル平泳ぎで銀メダルのアダム・ピーティ(イギリス)。(C)Getty Images

選手村の食べた食事について発言し、話題になった競泳男子100メートル平泳ぎで銀メダルのアダム・ピーティ(イギリス)。(C)Getty Images

 パリ五輪12日目を終え、ここまで何かと話題が尽きない選手村の食事について、現地7日に米メディア『NBC Philadelphia』が、“フードロス”を減らす取り組みを報じた。パリ大会では、オリンピック開催期間中に選手、観客、労働者によって“フードロス”となった食材をフランスの首都周辺の困っている人々に寄付する取り組みを実施している。

 米メディア『NBC Philadelphia』は、同取り組みについて「選手村のレストランでは再利用可能な食器を利用し、会場の座席もリサイクル材料で作るなどし、パリ大会では、より環境に優しいものにしたいと長い間主張してきた」と綴った上で、「主催者は、生活困窮者を助けることに加えて、食料寄付が他のオリンピックや主要なイベントの模範となることも望んでいる」と思いを伝えた。

 同メディアは、食堂について「大会期間中、選手村では200以上の国と地域から集まった数千人の選手に毎日約4万食の食事が提供されている。公に不満を訴える選手もいるが、食事が無料である点などから、食事について絶賛する選手もいる。主催者側は、一部の食事(肉など…)が不足しているという苦情にはすぐに対応した」と伝えている。

 また、同メディアは続けて、“フードロス”を減らす取り組みについては「大会期間中は100人のボランティアが協力し、午前6時にオリンピック会場に行き、数時間以内に複数の慈善団体に食品を届け、家族、路上生活者、学生など、困っている人々に配布している」と報じた。
 

 主に配布されるのは、「売れ残ったサンドイッチやサラダ、オリンピックのゲスト向けのケータリングの食事。また大会スタッフ向けに調理された食堂の食べ残しの食品も集めている」と伝え、続けて、「これまでに約9トンの食品が収集されており、そのうち約20%が果物だ。閉会式の後には、8月28日に始まるパラリンピックまで保存できない食べ残しの生の食品も集める」と記した。

 また、中には「集めた食料の一部がパリ北部郊外のエピネ=シュル=セーヌにある食料品店に持ち込まれ、大幅な値引き価格で食品を販売されている」とも報じ、利用する64歳の地元住民は「私はこのお店を利用している。とても助かっている」と語り、続けて「稼ぎの少ない私たちにとって、苦しんでいる家族にとって、1か月の食料を得るためにここに来るのです」と話したことを伝えている。

 東京五輪では、大会期間中の大量の食品廃棄。“フードロス”が明らかになり、日本国内で大きな問題となった。パリ五輪は、食事は選手たちに悪評だが、このような取り組みで、住民からは一定の評価を得ている様だ。

構成●THE DIGEST編集部

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