インド国内で波紋が広がっている。現地８月７日、パリ五輪女子レスリングのフリースタイル50キロ級決勝でサラ・ヒルデブラント（米国）と対戦予定だったビネシュ・フォガト（インド）の失格騒動だ。

【画像】レスリング女子50キロ級に出場した須﨑優衣を特集！ 　今大会の初戦では、東京五輪で金メダルを獲得している須﨑優衣と対決し、２点ビハインドの劣勢から３-２と大金星を挙げたビネシュ。その勢いのままに決勝進出を決めるなど、怒涛の快進撃を見せていた29歳だが、その翌日にまさかの計量失敗…。「体重超過」による失格処分が言い渡され、表彰台に立つこともできなかった。

　それから一夜明けてビネシュは、自身のＸ（旧ツイッター）を更新すると、「私は負けてしまいました。ごめんなさい」と謝罪のポスト。「私の勇気もすっかり折れてしまいました。もうこれ以上の力はありません。さようならレスリング 2001-2024」と突然の現役引退を表明し、この投稿がインド国内に大きな衝撃を与えている。

　これを受け、東京大会男子65キロ級で銅メダルを獲得したバジュラン・プニアは、同国放送局『NDTV』の取材に応じると、見事な戦いぶりを見せたビネシュにサポートのメッセージ。同局によれば、インド国内で失格選手を嘲笑するような反応があり、これに対しては「レスリング、減量について知らない奴らだ」と反応したという。

　また、今回の失格処分については、「１グラムの体重超過も許されない」「個人的に知っているレスラーも、同じ理由で失格になったことがある」と説明。「この事件で残念なのは、国民の娘が五輪のメダルを失ったという事実に対して、人々が嘆いていないこと。それどころか、ビネシュは笑いものにされている」と怒り心頭のようだ。

　大きな物議を醸した今回の体重超過→失格騒動。しばらくその余波は収まりそうにない。

構成●THE DIGEST編集部
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