マラソン・駅伝

川内優輝が議論沸騰の”マラソン補欠制度”に私見「他の団体競技と違って、マラソンの場合は…」【パリ五輪】

THE DIGEST編集部

2024.08.12

川内はマラソンの補欠制度について私見を述べた。(C) Getty Images

 マラソンの「補欠問題」が議論沸騰している。

 現地8月11日、パリ五輪は陸上の女子マラソンが行なわれ、日本勢は鈴木優花が2時間24分02秒の自己ベストをマークして6位入賞を果たし、東京五輪8位の一山麻緒は51位で終えた。金メダルはオランダ代表のシファン・ハッサンが2時間22分55秒の五輪新記録でゴール。5000メートルと1万メートルで銅メダルを獲得した鉄人ランナーがマラソンで異例の頂点に輝いた。

 その一方、日本記録保持者の前田穂南は右大腿骨疲労骨折のため無念の欠場となった。日本陸上連盟がレース前日の10日に電撃発表し、日本列島は小さくない衝撃を受けた。同連盟によると、前田は7月31日の練習で右大腿部付け根付近に張りを感じたという。強い痛みではなかったため、調整しながら本番に向けた練習を実施。チームドクターと連絡をとりながら練習を行ない、診察や画像検査は選手村入村のタイミングで行なうこととした。
 
 8月6日にチームドクターの診断、レントゲン検査、同7日にエコー検査を実施、大きな所見は確認されず、引き続き様子を見ながら調整練習を続けた。ところが、症状が改善されないことから同9日にMRI検査を行なったところ、右大腿骨疲労骨折と診断された。同連盟は「チーム、コーチ、選手と話し合い、この状態でマラソンに出場することは今後の選手生命にも関わる重大な問題であるため」とし、苦汁の決断を下した。なお、前田が本番に向けて調整練習を行なっていたこともあり、陸連は8月2日に補欠を解除。ゆえに、補欠登録だった細田あいとの入れ替えはしなかった。

 そして、11日には陸連の高岡寿成シニアディレクター(SD)からマラソンの補欠問題について説明があった。パリ五輪の選手の入れ替えはレース前日の午前中まで可能だったが、同連盟が補欠解除日(同2日)を独自に設定したことから、入れ替え出場はしなかった。同SDは「(補欠解除の)期限までの期間が非常に短くて、検査する時間がつくれなかった」と認める一方、補欠問題に対しては、「別のやり方で考えていかないといけないのか、話を進めていかないといけない」と振り返り、課題を口にしていた。
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他の団体競技と違うマラソン特有の”課題”