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「酔っぱらいおばさん」誹謗中傷に晒されるブレイキン女子に母国豪州の仲間や首相らが猛反発!「馬鹿げているよ」「我が国の伝統だ」【パリ五輪】

THE DIGEST編集部

2024.08.12

独自性あふれるダンスを披露したガン。日本ではそのユニホームも注目を集めた。(C)Getty Images

 世界中に熱狂と興奮をもたらしたパリ五輪もついに閉幕した。数え切れない話題を提供した4年に一度の祭典だったが、かつてないほどアスリートへの誹謗中傷が頻発した大会でもあっただろう。
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 大会最終盤には、女子ブレイキンに出場したオーストラリア代表選手が非難の的となった。大学講師の36歳、レイチェル・ガン(ダンサー名はRaygun)だ。緑と黄を基調としたユニホームが"クロネコヤマトの配達員"に似ているとして日本でも注目を集めたが、そのパフォーマンスが激しい批判に晒された。

 じつにゆったりとしたムーブで、カンガルーのポーズを取り入れるなどかなり独創的なダンスを連発。パワーとスピードを期待するファンにとっては物足りない内容で、実際にジャッジの採点も厳しく、結果的にガンは全体最下位で大会を終えた。

 するとSNS上では「酔っぱらいおばさん」「オーストラリアはもうブレイキンの出場をやめたらどう?」「よく出場資格を得られたな」「最悪のダンスだ」などガンへの否定的な意見が殺到。選手本人は「若い選手たちにパワーでは勝てない。私は違う方法で自分の足跡を残したいと思っただけなの。創造性を大切にした結果です」と説明したが、バッシングは止まなかった。

 そんななか、英紙『Daily Mail』は彼女を擁護する仲間や政治家のコメントを次々に紹介。支援の輪が広がっている。
 
 今大会のオーストラリア選手団を率いたエナ・ミア団長は「特定のひとりに対してSNSで集中攻撃を加えるのは、まったく時間の無駄遣いで情けない行為。彼女の勇気は素晴らしいし、彼女を攻撃したすべての人びとに失望している」とバッサリ。

 同国の伝説的なブレイカーであるサムソン・スミス氏は「こんなに批判を受けるなんて馬鹿げているよ。みんな拡散した動画や画像を見ただけで勝手に判断しているんだ。彼女は特別な個性を表現しただけさ」と怒りを露わにし、「これからは私のルーティンにもカンガルーポーズを取り入れるよ。きっとやる」と断言した。

 さらにはオーストラリアのアンソニー・アルバジーニ首相までもが発言。「彼女は天才だよ。まさにオーストラリア人の伝統である"挑戦"を貫いた。Raygunこそが我が国を代表する真のアスリートだと私は思う」と称えている。

 パリ五輪で初採用されたブレイキンだが、次回のロス五輪では除外されることが決定している。2032年のブリスベン五輪で実施すべきかどうかは今後議論・検討されるという。良くも悪くもさまざまなトピックに沸いたブレイキンは、8年後にガンの母国で開催される大会で復活を果たすのか。さっそく賛否両論が渦巻いているようだ。

構成●THE DIGEST編集部

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