バレーボール

「石川祐希選手に責任はない」パリ五輪で退任したブラン監督が主将を擁護! 選手たちの夢を叶えられず「本当に悲しい」【男子バレー】

THE DIGEST編集部

2024.08.17

パリ五輪の準々決勝敗退後、握手を交わすブラン監督(左)と石川(右)。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部/JMPA代表撮影)

 日本バレーボール協会が8月16日、代表監督らの総括談話を発表した。8強だったパリ五輪を最後に退任した男子日本代表のフィリップ・ブラン監督は、「2017年以降、特に東京2020オリンピック以降、私たちは着実に進歩しました。2023年と2024年はさらに格別な年でした」と振り返った。
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 パリ五輪の目標は金メダルに設定。ブラン監督は「オリンピックでのメダル獲得は、非常に高い目標ではありましたが、チームのプレーの質とこれまでの結果を考えれば現実的であるように思えました」と持論を述べた。

 しかし、予選ラウンドから"らしくない"プレーが続いた。ブラン監督は「オリンピックは特別な大会」とし、「感情のコントロールがチームのパフォーマンスにおいて特別な役割を担う」と大舞台の重圧が与える影響は計り知れないものがあると伝えた。

 ブラン監督は「準々決勝で敗れたのは事実ですが、今大会の本当のターニングポイントはドイツとの第4セットでした」とフルセットの末に2-3(17-25、25-23、25-20、28-30、12-15)で敗れた予選ラウンドの初戦を回顧。とりわけデュースまでもつれ込むも、奪い切れなかった第4セットを悔やんだ。

「私たちはこのセットに勝つ、つまりセットカウント3-1で勝利を収める十分な可能性がありました。そうなっていれば、精神的にも、また準々決勝前の順位も、完全に変わっていたでしょう。

 もちろんドイツはこの大会中、驚くべきパフォーマンスを見せました。銅メダルのアメリカ、金メダルのフランスに対してフルセットまで追いつめました。勝利は私たちの手の届くところにあり、勝利すれば私たちに大きな自信を与えてくれたことは間違いありません」
 
 さらに、ブラン監督は「私はオリンピックでメダルを獲得することができませんでした。私が手にしたことのない唯一のメダルだっただけに、個人的には非常に残念です」と胸中を吐露。「それ以上に、スタッフや選手たちが懸命に努力してきた夢、つまり日本のオリンピックメダリストに名前を刻むという夢を達成させてあげられなかったことが、本当に悲しいです」と唇をかんだ。

 準々決勝ではセットカウント2-3で敗れたものの、2022年の世界選手権王者であるイタリアを相手に強さを発揮した。試合時間は2時間24分、総得点は日本114点、イタリア113点。ブラン監督は「このような結果に対し、非常に残念な思いを抱くことは当然」とし、敗戦の責任は主将の石川祐希でもなく、誰にもないと強調した。

「イタリアが私たちよりもうまく切り抜けていたとはいえ、マッチポイントが4回あったのですからなおさらです。この敗戦の責任は誰にもありません。ましてや、すばらしいキャプテンであり、アメリカとの厳しい試合から立ち直ってイタリア戦で32得点を挙げた石川祐希選手に責任はありません」

 そして、ブラン監督は「私はこれからも、日本代表チームのファンであるだけでなく、あなた方選手たちのファンであり続けます」とコメント。「あなたたちは皆、まだまだ多くのことを見せることができます。そして、スキルを伸ばし続けるためにオープンな心を保ってください。さらにプレーを楽しむことができるでしょう」とアドバイスを贈った。

構成●THE DIGEST編集部

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