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馬の体調を思いやった“英断”が銅メダルに! 初老ジャパンが快挙達成の裏側を語る「海外のコーチに言われて調べ直したら...」【パリ五輪】

THE DIGEST編集部

2024.08.21

銅メダルを獲得した初老ジャパンのメンバー。写真:エンリコ/アフロスポーツ

銅メダルを獲得した初老ジャパンのメンバー。写真:エンリコ/アフロスポーツ

 パリ五輪の総合馬術団体で銅メダルを獲得した“初老ジャパン”は8月20日、日本オリンピックミュージアム(東京都新宿区)でトークショーに出演。日本勢92年ぶりの快挙達成の舞台裏などを語った。

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 1日目の馬場馬術、2日目のクロスカントリーを3位で終えメダル獲得へあと一歩まで迫っていた初老ジャパン。しかし最終3日目の障害馬術の直前に北島隆三のパートナー、セカティンカ号が左後ろ脚を負傷したとしてホースインスペクション(馬体検査)を通過できず馬の健康に配慮して選手交代を選択、リザーブ登録されていた田中利幸が交代で出場した。

 検査を通過できなかった場合、再検査をすることになるが、もし再検査も通らなかった場合には失格で減点が100点に。一方で再検査ではなく途中交代の場合は減点20点というのがルールだ。しかし交代を決断した際には、選手含め日本チームは減点が100点だと勘違いしており、メダル獲得の可能性は非常に低いと思っていたという。つまり日本代表は馬の体調を優先するために100点を失う覚悟で交代を決断した結果、再検査で失格になるよりはるかに少ない減点に留めることができたのだ。

 初老ジャパンの一員の戸本一真は「もうメダルは届かない、じゃあ後は大岩(義明)さん、個人で頑張りましょうぐらいの感じでとぼとぼ厩舎に帰ったんですね。そしたら海外チームのコーチが『いや、日本チームそんなはずないよ、ルールちゃんと確認したほうが良いよ』と言ってくれたみたいでスタッフが調べ直したところ、減点20っていうのが発覚して」と急展開を振り返り、「じゃあまだいけるぞってなって、我々も『そうなの!?』ぐらいの感じであそこから息を吹き返したという感じですね。笑い話ですけど、田中選手が減点100のままだったらそこまでプレッシャーかからなかったはずだけど、20になったことで1本も落とせない状況に変わっちゃってね」と笑顔で語った。

 20点の減点で5位に後退し最終日に臨んだ大岩義明、戸本、田中の3選手。難易度の高いコースに各国の選手が苦戦する中、日本代表は障害物を1つも落とさず走行するクリアラウンドを達成、タイム減点の2.0点のみに留めたことで3位に浮上し銅メダルを獲得した。

構成●THE DIGEST編集部

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