F１第16戦のイタリア・グランプリは、ビザ・キャッシュアップ・RB（以下RB）にとってのホームレースであり、同国在住の角田裕毅にとっても重要な週末のひとつだったが、彼のモンツァでの日曜日は早々に幕を閉じることとなった。

　初日から苦しみ、予選ではQ１でチームメイトのダニエル・リカルド（15番手）に僅差で及ばず16番手に終わり、今季４度目のファーストラウンド敗退を喫した角田は、決勝ではスタートでポジションを上げたのも束の間、５周目のターン１で止まり切れなかったニコ・ヒュルケンベルク（ハース）にサイドから突っ込まれ、フロアを傷めたことで今季２度目のリタイアを余儀なくされている。

　新たなパーツの導入が奏功せず、終始低パフォーマンスに終わった日本人ドライバーに対して、各国メディアの評価はネガティブなものが多く、まず英国のF１専門サイト『PLANETF1.COM』は「角田のモンツァでの不運は、2024年も続いていた。レースのスタート直後にヒュルケンベルクと接触。一時的に走行は続けられたが、致命的なダメージを受けたため、７周目の終わりに車を降りるよう指示された」と伝えた。
  　同メディアは早々にレースを終えた角田に採点をつけなかったが、一方で同国のモータースポーツ専門サイト『CRASH』は10点満点中で「5.5」を与え、「予選ではチームメイトに圧倒され、決勝はヒュルケンベルクとの接触により、序盤でリタイアした」と、短く振り返っている。

『RACEFANS』も「５」と及第点に届かない採点で、寸評も「角田にとっては忘れたいイタリアでの週末となった。RBのホームレースに向けた新しくアップグレードされた車に彼は慣れることができず、Q１敗退に苛立った。それに止まらず、決勝でヒュルケンベルクに激突され、リタイアせざるを得なかったことに、彼はさらに不満を抱いたことだろう。ダメージのためにレースを続行できず、今週末唯一のリタイアを喫した」と厳しい内容に終始した。

　一方、『TOTAL MOTORSPORT』は「予選の結果には失望したが、スタート時にポジションを上げて挽回しつつあった。（スタート直後にリカルドによってコース外に押し出された）ヒュルケンベルクによるRBへの“復讐”の標的にならなければ、ワンストップでポイント争いに加わっていただろう」と綴り、こちらは「６」を付与している。