競馬

クラシック三冠の“最終戦”となる菊花賞、G1初挑戦となる期待の上がり馬ヘデントールを主力に抜擢したい!

三好達彦

2024.10.20

条件戦を強い競馬で2連勝。上がり馬のヘデントールに注目だ。写真提供:産経新聞社

 10月20日、クラシック三冠の最終戦となる菊花賞(GⅠ、京都・芝3000m)が行なわれる。

 今年は日本ダービー(GⅠ)を制したダノンデサイル(牡3歳/栗東・安田翔伍厩舎)が参戦する一方、皐月賞(GⅠ)を勝ったジャスティンミラノ(牡3歳/栗東・友道康夫厩舎)は天皇賞(秋)(GⅠ)へ進むことを表明していた(のちに屈腱炎を発症したため休養)。また、ダービー3着のシンエンペラー(牡3歳/栗東・矢作芳人厩舎)はご承知のとおり欧州へ遠征したため欠場と、いささか薄いメンバー構成となった印象があることは否めない。

【動画】ドゥレッツァが制した2023年菊花賞
 そうした状況のなかで、上位人気に推されるのは、まずダノンデサイル、皐月賞2着のコスモキュランダ(牡3歳/美浦・加藤士津八厩舎)が一番手。次いで、セントライト記念(GⅡ、中山・芝2200m)を圧勝したアーバンシック(牡3歳/美浦・武井亮厩舎)神戸新聞杯(GⅡ、中京・芝2200m)を逃げ切ったメイショウタバル(牡3歳/栗東・石橋守厩舎)、強い競馬で条件戦を2連勝してきた「上り馬」のヘデントール(牡3歳/美浦・木村哲也厩舎)らがそれを追う、という構図になっている。

 いつもはレース内容を中心に有力馬の取捨をご紹介しているが、今年の菊花賞出走予定の有力馬には、ある不安なデータを持つものが多いため、まずその点からフィルタリングしてみたい。

 一般に競走馬は、短距離型ほど重量馬が多く、逆に中長距離型はスリムなアスリート体形の軽量馬が多いとされている。その根拠は、爆発的なスピードで一気に走り切るスプリンターは筋肉量の差がものを言うため、いきおい重量馬に有利となり、長距離戦は自らの体重がスタミナを奪う割合が少ない軽量馬が向くと説明される。

 たとえば代表的なステイヤーとされた2頭、メジロマックイーン、ライスシャワーの馬体重を見てみる。ここでは便宜的に500㎏で線を引いて、それ以上が大型馬と考えることとする。

 メジロマックイーンは馬体を大きく見せていたため大型馬との印象が強いが、実際は1990年、菊花賞制覇時の体重は484㎏。1991・1992年の天皇賞(春)連覇時は、482㎏、490㎏と、いずれも500㎏以下だった(ちなみにライスシャワーの2着に敗れた1993年の同レース時には500㎏だった)。

 メジロマックイーンはそれでも480~500㎏あったので立派な押し出しで軽量馬とは言い難いが、もう1頭のライスシャワーは正真正銘の小型・軽量馬である。1992年の菊花賞制覇時は438㎏。1995年の天皇賞(春)に優勝したときでも442㎏と、鋭利な刃物を想起させるような馬体の持ち主であった。

 そこで菊花賞について、昨年までの過去10年の3着以内の馬で、500㎏以上の馬がどれだけいるかを調べてみた。すると驚くべきことに、1~3着までを500㎏以上の大型馬が占めた2015年(530㎏のキタサンブラック、500㎏のリアルスティール、506㎏のリアファル)以外、3着以内に入った年は一回も無かったのである。
 
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