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【F1】角田裕毅が“警告”。複雑化する裁定基準に「彼らは僕たちがAIのように運転することを期待している」、昨季王者も「マシンに本を積まなければ」

THE DIGEST編集部

2024.10.25

オーバーテイクのガイドラインにコメントした角田。(C)Getty Images

 現地10月20日に決勝が行なわれたF1アメリカGP内で話題となったのが、ランド・ノリス(マクラーレン)へのペナルティだ。3番手争いをしていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に対して、ノリスがコーナーでアウト側からオーバーテイクを試みたものの、両車ともコース外に膨らみ、そのまま追い抜きをしたノリスに5秒ペナルティが出された。この裁定にマクラーレンは再審請求するなど納得がいっていない様子。海外メディアはオーバーテイクに関するガイドラインが関係していると指摘した。

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 専門メディア『The Race』によると、今季変更、追加された「ドライビングスタンダードガイドライン」では今回の例などアウト側から追い抜く際、「コーナーのエイペックスと出口で、前車軸が少なくとも相手車両の前車軸に並んでいること」と明記されており、ノリスはその条件を満たしていなかった。一方でフェルスタッペンもブレーキングを遅らせることで、エイペックスでノリスの先行を許さなかったものの、コース外に飛び出しながら防御したため、スチュワードの裁量でポジションを譲る必要も生じうる状況だった。

 同メディアは現地10月25日、このガイドラインの変更に対して、ドライバーから不満の声が出ていると報じた。今回の件の当事者フェルスタッペンも「ほぼマシンに本を積まなければいけない段階に来ていると思う」とジョークを飛ばしつつ「間違いなく過剰に規制されている」と指摘。一方で「ルールを取り除いて、再び事件が起こったら、『ああ、もっとルールが必要だ、これに対策しなければならない』となる」とバランスの問題だと述べた。

 また、角田裕毅(RB)は「彼らは僕たちが機械のように、AIのように運転することを期待しているように感じる。僕たちはお互い情熱的に戦おうとしているが、彼らがそれを取り除いたら、AIが戦っているようなものになってしまう。アブダビのA2RL(自律走行レース)を見る方が良い」とスポーツならではの魅力が損なわれると警告。「確かに難しいことだし、何年も前からモータースポーツの話題になってきた。いつか、もっと足並みを揃えることができたらな」と今後へ期待を込めた。

構成●THE DIGEST編集部

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