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競馬

日本馬の勝利ならずも、確かな“可能性”を見い出したブリーダーズカップデー。伏兵ローシャムパークの激走が意味するもの

三好達彦

2024.11.06

BCクラシックでは日本のフォーエバーヤング(一番右)が3着と健闘した。(C)Getty Images

BCクラシックでは日本のフォーエバーヤング(一番右)が3着と健闘した。(C)Getty Images

 現地11月2日(日本時間3日)、米国競馬の祭典ブリーダーズカップ諸競走(以下BC)がデルマー競馬場で行なわれ、日本馬が熱い走りを見せた。本稿では馬券が発売になった3レースについて振り返る。

【BCクラシック】
 メインの「クラシック」(ダート2000m)に出走したのは、今春のケンタッキーダービー(G1)で3着と健闘したフォーエバーヤング(牡3歳/栗東・矢作芳人厩舎)、昨年の本レースで2着に入ったデルマソトガケ(牡4歳/栗東・音無秀孝厩舎)、今春のサウジカップ、ドバイワールドカップ(ともにG1)で連続2着したウシュバテソーロ(牡7歳/美浦・高木登厩舎)の3頭。いずれも海外で実績を積んだ強者である。

 1番枠から出たフォーエバーヤングは押して3~4番手に付けるが、それを外から交わしてデルマソトガケが先頭に立ちレースを引っ張り、ウシュバテソーロは後ろから2番目に待機した。レースはハイペースとなり、逃げたデルマソトガケは3コーナー過ぎから後退。フォーエバーヤングが外へコースを取りながら直線へ向く。ここで後方から押し上げていたシエラレオーネ(牡3歳/米・C.ブラウン厩舎)が内から突き抜け、フィアースネス(牡3歳/米・T.プレッチャー厩舎)、ニューゲート(牡4歳/米・B.バファート厩舎)が追撃。この大勢は決まったが、いったんは手応えが怪しく見えたフォーエバーヤングだったが、もう一度しぶとく伸びてニューゲートを交わし、3位に上がってゴールした。

 矢作調教師は「力を出し切ったレースで、残念ではあるが、清々しい気持ち、やり切ったなという思い。1、2着馬は強かったですが、古馬になってこの強い世代(1~3着は3歳)のトップに立ちたいという思いは変わっていない」と、真っ向勝負で臨んでの結果に納得の表情だった。坂井瑠星騎手も「勝てなかったことは残念だが、ベストは出してくれたのではないかと思う」とレースを振り返った。

 前崩れの展開となるなか、前めに付けて勝負に出たフォーエバーヤング。厳しい流れのなかでもう一度、末脚を伸ばして3着まで上がったのは能力の高さの証明だろう。米国の強豪を相手にしても、まったく遜色のない走りを見せたのは立派のひと言だ。
 
 ウシュバテソーロは前進気勢が足りなかったのか、後方から差を詰めただけの10着に終わってしまった。川田将雅騎手は「なかなか馬の気持ちが出てこず、動けないまま進んでしまう形になって、彼らしさを出すことができなかった」とコメント。高木調教師も「いつも自らハミを取るところがあるのだが、今日は気持ちが乗ってこなかった感じ」と残念さをにじませた。

 逃げて13着のデルマソトガケは初めてブリンカーを着けての出走となったが、それが利きすぎたのか、自らが作り出したハイペースの競馬で早々と失速してしまった。音無調教師は「良かれと思って装着したブリンカーが、逆に作用してしまったのではないか」と振り返り、クリストフ・ルメール騎手も「楽に先頭をとれたが、3コーナーの手前でもう手応えがなかった」とコメントを残した。
 
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