競馬

ブレイディヴェーグに初マイルの不安なし! 強烈末脚が炸裂の予感。13年ぶり参戦の欧州トップマイラーの“リアル評”は?【マイルCS】

三好達彦

2024.11.16

初距離を迎えるブレイディヴェーグ。強烈な末脚で初のGⅠ戴冠を狙う。写真:産経新聞社

 11月17日、秋のマイル王を決めるマイルチャンピオンシップ(GⅠ、京都・芝1600m)が行なわれる。春季の実績馬と上がり馬に加え、今年は海外馬も参戦する。充実の顔ぶれが揃う楽しみな一戦となる。

 上位人気を占めるであろう有力馬は多士済々。まず昨年のエリザベス女王杯(GⅠ)の覇者で、復帰戦の府中牝馬ステークス(GⅡ)を強烈な末脚で制したブレイディヴェーグ(牝4歳/美浦・宮田敬介厩舎)。昨年の本レース勝馬のナミュール(牝5歳/栗東・高野友和厩舎)。昨年の本レースで2着に入り、今春の安田記念(GⅠ)でも3着に食い込んだソウルラッシュ(牡6歳/栗東・池江泰寿厩舎)。今春から急激に力を付け、プレップレースの富士ステークス(GⅡ)で重賞初勝利を挙げたジュンブロッサム(牡5歳/栗東・友道康夫厩舎)。一昨年の本レース覇者であるセリフォス(牡5歳/栗東・中内田充正厩舎)。そして、英国から参戦する欧州のトップマイラーで、G1レースを3勝しているチャリン(牡4歳/英・R.ヴェリアン厩舎)。いずれが勝利を飾っても不思議のない面子である。
 
 序列をつけるのは難事だが、あえて絞り込むならブレイディヴェーグ、ナミュール、チャリンの「三強」となろうか。

 ブレイディヴェーグはここまで6戦4勝で、新馬戦とローズステークス(GⅡ)の2走が2着と、いまだに連対を外していない。持ち味は強烈な末脚の切れで、上がり3ハロン32秒台という破格の時計を3度も叩き出している。課題となるのは1600mが初めての距離となる点だが、中団に付けられさえすれば爆発的な末脚でカバーは可能と見る。

 11か月ぶりのレースとなった府中牝馬ステークスのあとは、ノーザンファーム天栄での2週間の放牧を経て帰厩。前走からの反動も感じられず、最終追い切りでも素軽い走りを見せた。宮田調教師は共同会見で「初めてのマイルでチャレンジャーの気持ち」としながらも、一方では「この馬の可能性はまだまだ限りないものだと思っている」と、大きな期待も口にしている。競走馬としてのスケール感、伸びしろの大きさという要素も含めて、本馬を主軸と評価したい。
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