格闘技・プロレス

“ミスIWGP”岩谷麻優が渡辺桃との死闘を制してV8達成!「来年の1.4は、このベルトを懸けて試合がしたいです!」

どら増田

2024.11.18

渡辺桃との死闘を制した岩谷麻優。写真:新日本プロレスリング

 ブシロードグループのプロレス業界最大手、新日本プロレスとスターダムによる合同興行『Historic X-over Ⅱ』11.17大阪・大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)第1競技場大会が開催された。この大会は2022年「11.20東京・有明アリーナ大会」で初開催されており、今回は2年ぶり。大阪では初開催となった。新日本とスターダムによる男女ミックスドマッチがズラリと並ぶ中、セミファイナルではIWGP女子選手権試合、チャンピオン岩谷麻優に渡辺桃が挑む女子のタイトルマッチがラインナップされた。

 岩谷は前回大会のメインイベントでKAIRIと同王座の初代王者決定戦に敗れ、試合後には悔し涙を流す場面も見られた。その後は、昨年4月に神奈川・横浜アリーナ大会で王座を戴冠すると、強敵相手に7度もの防衛に成功している。岩谷は現在、IWGPヘビー級王座時代にオカダ・カズチカが記録した最多連続防衛回数(12回)と最長保持記録(720日)の更新を目指している。

 一方の桃はデビュー10周年を迎えて最初の試合がタイトルマッチに。「5★STAR GPでよ、オマエ反則で私に勝ったよな? だからその反則して勝った汚名を返上するチャンスをくれてやるって言ってんだよ。だからそのIWGP懸けて私とやれ!」と岩谷に迫った桃だが、会見ではクリーンファイトをほのめかすなど、怪しい動きを見せていた。桃が闇落ちをしたのが大阪だったというのも気になるところだった。

 岩谷は「このベルトの価値の重さ、岩谷麻優の重さ、アイコンとしての強さ、それを叩き込んでやりたい」と宣言。先に入場して来た桃は、極悪軍団H.A.T.E.のメンバーとは思えない白と金を貴重としたニューコスチュームだったが、手には黒いバットが。試合が始まるとH.A.T.E.のセコンドが介入する場面もあったものの、桃の猛攻を岩谷が受けまくる展開に。桃のテキーラ・サンライズ、ピーチ・サンダー、岩谷のムーンサルト・プレス、ドラゴンズ・レイといった必殺技がともに決まらず、キックの応酬から、途中バットを手にしたが放り投げた桃は狂ったように岩谷に襲いかかる。しかし、ここで岩谷の目つきが変わり、ラリアットをかわすと一気に二段式・ドラゴン・スープレックスが決まりカウント3。岩谷が死闘を制した。ファンからは「ベストバウト」「この試合がメインでも良かった」という声が、スターダムファンからだけではなく、新日本ファンからも挙がっていた。
 
 試合後、マイクを握った岩谷は「勝ったら言いたいことがあった」と切り出すと、「今年の1.4(新日本の東京ドーム大会)、出れなくてすっげー悔しかった! すっげー見下されてるような気がした! でも、今日で8度目の防衛成功。来年の1.4は、このベルトを懸けて試合がしたいです!」と魂の直訴。続けて「みなさん! スターダムの上の人たち、新日本の上の人たち! お客さん! 今年の岩谷麻優、このベルトの価値、上げましたよね? 1.4東京ドーム、出る資格ありますよね?」と問うと場内は大歓声に包まれる。ここで次期挑戦者として名乗りをあげていたAZMが現われて、「1.4って言ってたな~。その挑戦者、このAZMでどうですか?」と改めて挑戦表明。岩谷は「AZM! ずいぶんとお待たせしました! AZMちゃんではなく、AZMとこのベルトを懸けて1.4、やりたいです!」とこれを受諾。岡田太郎社長も「OK」を出したことから、両選手が来年1.4東京ドーム大会でIWGP女子選手権を行なうことが決まった。二人はガッチリ握手を交わしてバックステージへ。

 岩谷は、「IWGP、V8達成することができました。今年に入って、1.4の朱里から始まり、今日の渡辺桃との試合まで、このIWGPのベルトの価値を上げてきました。いや、このベルトに関わってくれたみんなが、このベルトの価値を上げてくれた。そして今日、この『X-over』で無事に防衛して、今年は無茶苦茶悔しかった1.4東京ドーム、来年はこのベルトを懸けてやりたい。本当にその目標を叶えるつもりで1年間闘ってきて、今日、本当に勝てて良かった。桃は、凶器とかも使わずに10周年、10年間の渡辺桃の全てをぶつけてくれた。次闘う時はもっと桃も強くなってると思うけど、自分はこれからも高い壁でいつづける。そしてこのベルトの最多防衛記録を岩谷麻優が作って、歴史に名を刻む。このベルトの価値、(ベルトを見せながら)みんな凄いベルトだってわかってくれたでしょ? 文句ないでしょ? 試合で見せつけてきた。どんな逆境も跳ね除けてきた。その全てを1.4で出す。もう頭が働かない。何言ってんのかわかんないけど、今日はベルトが防衛できて本当に嬉しい」と、初めは赤いベルトと白いベルトに挟まれるような形で、立ち位置が不透明だったこのベルトに自身が価値をつけられたことに、かなり手応えを感じたようだ。実際、岩谷が王者となってから、IWGP女子王座戦は、藤本つかさ戦だけアクシデントで消化不良になってしまったが、他は名勝負ばかり。今や岩谷の代名詞と言っていいだろう。

 有明で流した涙を糧にしてここまで作り上げたのだから素晴らしいの一言だ。そんな岩谷麻優のIWGP物語はまだまだ続いていく。

◆新日本プロレス×スターダム◆
『Historic X-over Ⅱ』
2024年11月17日
大阪・大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)第1競技場
観衆 3547人
▼IWGP女子選手権試合(60分1本勝負)
<王者>○岩谷麻優(24分13秒 二段式・ドラゴン・スープレックス・ホールド)渡辺桃●<挑戦者>
※第3代王者が8度目の防衛に成功。

文⚫︎どら増田

【動画】岩谷麻優の奥の手、フブキラナ!
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