2026年より11番目のチームとしてF1に参戦することになった「キャデラックF1チーム」。このアメリカ籍のコンストラクターに対しては、当然ながら多くの関心が寄せられている。
【画像】絶世の美貌を誇る米プロレーサー、リンジー・ブルワーの厳選フォトを一挙お届け! F1では1978年にワールドチャンピオンに輝き、アメリカではCART、さらにはル・マン24時間レースでも頂点に立ってきたレジェンドドライバーのマリオ・アンドレッティが取締役を務めるチームが、どれだけの準備を整えて世界最高峰レースの舞台に立つのかが興味深いが、同時に気になるのはドライバーの顔ぶれである。
アメリカ籍ということで同国のドライバーに優先的にシートを与えるという見方や、新興チームゆえにF1を熟知したベテランドライバーを迎えるのではという噂もあるが、スポーツ専門メディア『The Athletic』はパワーユニット会社を設立するなど10年以内のフルワークス体制確立を目指す同チームが「ドライバーにとって魅力的な選択肢となる」として、そのコクピットに収まる可能性がある候補たちを挙げている。
まず、以前にアンドレッティ・グローバルがF1参戦に名乗りを上げた頃からその名がメディアに登場したコルトン・ハータ。インディカーレースの最年少優勝記録を持つ24歳のアメリカ人は、2022年にはアルファタウリ(現レーシングブルズ)がピエール・ガスリーの後釜候補として注目していたが、同メディアは「F1で使用されるサーキットでの走行やピレリタイヤでの経験がないこともあり、困難を伴うだろう」とネガティブな展望を示した。
同じアメリカ人では、欧州での活動経験が豊富で、現在はF2のDAMSに所属する19歳のジャック・クロフォードも候補のひとりであり、こちらはアストンマーティンのドライバー育成プログラムにも参加しており、「潜在的な選択肢になる可能性がある」と同メディアは見ている。
一方、F1での経験を重視するのではあれば、昨季限りでレッドブルを離脱した36歳のセルジオ・ペレス、同じくザウバーとの契約が切れた35歳のバルテリ・ボッタスは、非常に頼もしい存在になるという。前者については「不調に終わった昨季の結果が、チームに彼を選択することを危険だと認識させるかもしれない」と懐疑的な同メディアだが、昨季フルタイムでのドライバーでは唯一ノーポイントに終わった後者には「強力な車と競争力の低い車を経験した経験が、新興チームにとって有益となる」とポジティブな見解を示した。
ボッタスとともにザウバーのシートを失ったジョウ・グァンユも候補に挙げられており、その理由としてはキャデラックのグレアム・ロードン代表が以前にこの中国人ドライバーのマネジメントを担当していた縁を挙げる。もっとも、「25歳と若く、成長の余地は十分にある」「昨季のカタールGPで8位入賞を飾ったことは、彼がF1で何ができるかを人々に思い出させた」と能力や可能性が備わっているとして、「絶対的なリーダーとはならないかもしれないが、総合的にまともな選択肢」と評価している。
そして最後は、今季でF1での5シーズン目を迎える角田裕毅(レーシングブルズ)だ。昨季、多くの印象的なパフォーマンスでチームを牽引した彼には多くの有識者や各国メディアが賛辞を贈り、本人も自身の成長ぶりを認めていた。
同メディアは、選択肢が限られる中でこの日本人ドライバーは有力な候補になると見ており、「彼を起用することは、明らかな速さを持つドライバーを迎え入れるということである。毎年進歩を見せているという点でも評価できる。また、彼には知名度もあることも利点となり得よう。完全なルーキーが同僚となれば、彼をサポートする良き相棒となれるだろうし、逆にベテランが起用される場合には、若さを持つ補完的な存在となれる」と、その利点を挙げる。
「レッドブルが今季のトップチームにリアム・ローソンを抜擢したことで、角田が将来について再考する可能性が高い」と、レッドブル・グループ離脱を予想する同メディアは、彼の後ろ盾でもあるホンダが新たなパートナーとなるアストンマーティンへの移籍についても、「フェルナンド・アロンソとランス・ストロールが複数年契約を結んでおり、大きな方針転換でもない限り、シートが空くことはない」と懐疑的だ。
その上で、「新しいチームに加入することは常にリスクを伴う。とりわけ、新しいレギュレーションの施行時には、さらにその傾向が強くなる。しかし、角田がレッドブルでの将来を見出せず、ここを去る決断を下すのであれば、キャデラックへの移籍は興味深い次のステップとなり、多くの可能性を秘めた挑戦となるだろう」と主張している。
角田は以前から、レッドブル昇格を最大の目標に挙げながらも、去就において多くの選択肢を得られる(=多くのチームから求められる)ことの重要性も強調してきた。F1キャリアにおける分岐点を迎える可能性がある今季、昨季同様の好パフォーマンスを発揮してキャデラックをはじめとする多くのチームの関心を引くことができるかが興味深いところだ。
構成●THE DIGEST編集部
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アメリカ籍ということで同国のドライバーに優先的にシートを与えるという見方や、新興チームゆえにF1を熟知したベテランドライバーを迎えるのではという噂もあるが、スポーツ専門メディア『The Athletic』はパワーユニット会社を設立するなど10年以内のフルワークス体制確立を目指す同チームが「ドライバーにとって魅力的な選択肢となる」として、そのコクピットに収まる可能性がある候補たちを挙げている。
まず、以前にアンドレッティ・グローバルがF1参戦に名乗りを上げた頃からその名がメディアに登場したコルトン・ハータ。インディカーレースの最年少優勝記録を持つ24歳のアメリカ人は、2022年にはアルファタウリ(現レーシングブルズ)がピエール・ガスリーの後釜候補として注目していたが、同メディアは「F1で使用されるサーキットでの走行やピレリタイヤでの経験がないこともあり、困難を伴うだろう」とネガティブな展望を示した。
同じアメリカ人では、欧州での活動経験が豊富で、現在はF2のDAMSに所属する19歳のジャック・クロフォードも候補のひとりであり、こちらはアストンマーティンのドライバー育成プログラムにも参加しており、「潜在的な選択肢になる可能性がある」と同メディアは見ている。
一方、F1での経験を重視するのではあれば、昨季限りでレッドブルを離脱した36歳のセルジオ・ペレス、同じくザウバーとの契約が切れた35歳のバルテリ・ボッタスは、非常に頼もしい存在になるという。前者については「不調に終わった昨季の結果が、チームに彼を選択することを危険だと認識させるかもしれない」と懐疑的な同メディアだが、昨季フルタイムでのドライバーでは唯一ノーポイントに終わった後者には「強力な車と競争力の低い車を経験した経験が、新興チームにとって有益となる」とポジティブな見解を示した。
ボッタスとともにザウバーのシートを失ったジョウ・グァンユも候補に挙げられており、その理由としてはキャデラックのグレアム・ロードン代表が以前にこの中国人ドライバーのマネジメントを担当していた縁を挙げる。もっとも、「25歳と若く、成長の余地は十分にある」「昨季のカタールGPで8位入賞を飾ったことは、彼がF1で何ができるかを人々に思い出させた」と能力や可能性が備わっているとして、「絶対的なリーダーとはならないかもしれないが、総合的にまともな選択肢」と評価している。
そして最後は、今季でF1での5シーズン目を迎える角田裕毅(レーシングブルズ)だ。昨季、多くの印象的なパフォーマンスでチームを牽引した彼には多くの有識者や各国メディアが賛辞を贈り、本人も自身の成長ぶりを認めていた。
同メディアは、選択肢が限られる中でこの日本人ドライバーは有力な候補になると見ており、「彼を起用することは、明らかな速さを持つドライバーを迎え入れるということである。毎年進歩を見せているという点でも評価できる。また、彼には知名度もあることも利点となり得よう。完全なルーキーが同僚となれば、彼をサポートする良き相棒となれるだろうし、逆にベテランが起用される場合には、若さを持つ補完的な存在となれる」と、その利点を挙げる。
「レッドブルが今季のトップチームにリアム・ローソンを抜擢したことで、角田が将来について再考する可能性が高い」と、レッドブル・グループ離脱を予想する同メディアは、彼の後ろ盾でもあるホンダが新たなパートナーとなるアストンマーティンへの移籍についても、「フェルナンド・アロンソとランス・ストロールが複数年契約を結んでおり、大きな方針転換でもない限り、シートが空くことはない」と懐疑的だ。
その上で、「新しいチームに加入することは常にリスクを伴う。とりわけ、新しいレギュレーションの施行時には、さらにその傾向が強くなる。しかし、角田がレッドブルでの将来を見出せず、ここを去る決断を下すのであれば、キャデラックへの移籍は興味深い次のステップとなり、多くの可能性を秘めた挑戦となるだろう」と主張している。
角田は以前から、レッドブル昇格を最大の目標に挙げながらも、去就において多くの選択肢を得られる(=多くのチームから求められる)ことの重要性も強調してきた。F1キャリアにおける分岐点を迎える可能性がある今季、昨季同様の好パフォーマンスを発揮してキャデラックをはじめとする多くのチームの関心を引くことができるかが興味深いところだ。
構成●THE DIGEST編集部
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