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「2か月長かったな…」試合に飢えた井上尚弥。55.2kgで計量一発パスも、肌で感じたキム・イェジュンの“覚悟”「臆することなく挑んでくるな」

THE DIGEST編集部

2025.01.23

前日計量を一発クリアした井上(左)とキム・イェジュン(右)。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 プロボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥が1月23日、横浜市内でWBO同級11位キム・イェジュン(韓国)と4団体防衛戦の前日計量を行なった。両者とも100グラムアンダーとなる55.2キロで一発クリアし、万全のコンディションをアピール。試合10日前に対戦相手が急きょ変更となった異例の興行は、いよいよ24日に本番を迎える。
【画像】井上尚弥ら全選手が計量パス!有明でのタイトルマッチに向けた前日計量の様子をお届け!

 先に計量した井上が一発でパスすると、陣営から拍手が起こった。井上は両腕で力こぶを作り、鋼のような肉体を報道陣にアピールした。続いて挑戦者のキム・イェジュンもクリアすると、こちらも陣営から拍手と大きな声援が沸き起こり盛り立てた。

 そのあと井上は黄金に輝く4本のベルトに加え、米国で最も権威あるボクシング専門誌『The Ring』認定ベルトを上半身に巻き、韓国人ボクサーの隣に立って記念撮影に収まった。そして恒例のフェイスオフでは約14秒睨み合い、互いは火花を散らした。
 
 緊張感が漂った計量を無事に終えた井上は会場外で囲み取材に応じた。「本当にいよいよ。2か月が長かったなというのが、率直な気持ちです」と、2度の試合中止を経て辿り着いた試合への想いを口にした。

 延期、対戦相手の直前変更と予想もしないアクシデントが続いたが、自分がやるべき鍛錬を積み、「今後のビッグマッチに向けたコンディション作りでの新たな発見もあった」と語り、決してマイナスではなかったと強調。試合に飢えたモンスターは、「(試合が)より楽しみであり、待ち遠しい」と腕をならす。

 あらためて対戦するキム・イェジュンについては、「臆することなく、この試合に挑んできてるなと思います」と評し、初のビッグマッチに臨む韓国人ファイターの覚悟を肌で感じたという。「やっぱり代役として受けてくれて、気持ちは強いと感じましたね。諦めることなく向かってきてくれるんじゃないかな」と語り、好勝負を期待した。

 あとは24日、東京・有明アリーナのリングに立つのみ。相手は対日本人ボクサー7戦7勝と勝率100%を誇るが、これまでの実績を考えれば、井上が圧倒的に有利なのは間違いない。2025年は米ラスベガスやサウジアラビアといった海外でのビッグマッチを見据えるモンスターにとっては『勝利』という結果は言わずもがな、どんな内容で決着をつけるかに注目が集まる。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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