オーストリアのグラーツで開催されているフィギュアスケートの欧州選手権。現地時間23日には男子フリーが行われ、ロシアのドミトリー・アリエフがショートプログラム（SP）２位から逆転で優勝。自身初の表彰台トップに昇った。

　昨年の欧州選手権まではハビエル・フェルナンデスが９連覇していた同大会。新たな覇者となったのは、ロシアの20歳だ。昨年末に行なわれたロシア選手権でも優勝を飾ったアリエフは、その際に記録した260・98点を大きく上回る合計272・89点をマークした。

　フランス紙『L'Équipe』は、アリエフがフリープログラムでは４回転ルッツ、４回転ループ２本を着氷させ、プログラムの最後には涙を流すほどの情感に溢れていたと綴り、「この２日間でアリエフは最高だった」と称賛した。２位はロシアの16歳、アルトゥール・ダニエリアンが入り、３位にはジョージアのモリス・クビテラシビリが入っている。

　本大会は、優勝候補の一角だったケビン・エイモズ（フランス）がSP26位でフリーに進めず、会場も突貫工事で整えられた”テント”会場であることなどが話題を集めたが、アリエフが見せたスケーティングは、間違いなくフィギュアファンの心を打つものだったようだ。
  　国際スケート連盟（ISU）は公式アカウントに、アリエフのフリープログラム「サウンド・オブ・サイレンス」の一部を動画でアップ。「新たな欧州チャンピオンの誕生！ スムーズなスケーティング、情熱的な演技、そして素晴らしいジャンプ。最後には涙を流してフィニッシュ。なんてスケートだろう！」と絶賛している。

　海外のフィギュアファンからも、アリエフの優勝にいくつもの賛辞が寄せられている。

「本当に素晴らしい。素敵なスケートだった」
「なんて優雅なの」
「この音、そしてこの演技を見ていると涙が止まらない」
「彼の演技に泣かされてしまった」
「魅了されるスケートとはこのこと」
「ベストな彼を見ることができてうれしい！ロシアの誇り！」

　また、ロシア・メディアは、この優勝によってアリエフが３月に行なわれる世界選手権の代表にも選出される可能性が高まったと報じている。

　欧州選手権は現地時間24日に女子のSPが行なわれ、アレクサンドラ・トルソワ、アリョーナ・コストルナヤ、アンナ・シェルバコワ、アレクサンドラ・トルソワらロシアの三人娘が出場する。こちらの優勝の行方にも注目が集まりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部