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格闘技・プロレス

なぜ井上尚弥を〝挑発〟してしまったのか。キム・イェジュンが怪物の餌食となった3度の『来い!』の真意「井上選手が私の方に近づいて...」

THE DIGEST編集部

2025.01.25

挑発の意図を語ったキム・イェジュン。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

挑発の意図を語ったキム・イェジュン。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 プロボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥は1月24日、東京・有明アリーナでタイトル防衛戦に臨み、4回2分25秒のKO勝ちでWBO同級世界ランキング11位キム・イェジュン(韓国)の挑戦を退けた。

【動画】イェジュンの「来い、来い」に応える井上尚弥の強烈ワンツー
 当初の対戦相手だったサム・グッドマン(オーストラリア)の棄権により、試合の13日前に急遽代役が決まったキム。23日の記者会見では「井上選手と試合をするのは全ての選手にとって光栄なことでチャンス。絶対に楽に終わらせるつもりはない。私のスタイルでノックアウトするのが希望だ」と番狂わせを誓っていた。

 第1Rは井上が慎重に出方を窺っていたのに対し、キムはパンチをいなしつつ圧力をかけていったが、第2Rは開始直後からギアを上げた井上に徐々に主導権を奪われる展開に。第4Rには連打で井上にダメージを与える場面も見られたが、逆にカウンターで王者の重い左フックを受ける。

 するとキムは、なんと「もっと来い!」と両手のジェスチャーで挑発。井上にガードの上からパンチを叩き込まれるも、再度「来い!」と誘い、レバーブローを受けながら斜め後ろに退くと、3度目の挑発した直後に決定打となるワンツーを受けダウンした。

 キムは試合後、この3度にわたる挑発の意図について、「私の戦略としては、井上選手が私の方に近づいてきた時にパンチをしたかった」とカウンターを狙っていたと説明。実際に井上がその挑発に乗る形でパンチを繰り出してきたが、キムの計画通りにはいかず。実際に対峙した井上の豪打は「研究した時よりも、もっと速くて強かった」と自身の“誤算”を振り返った。

 大一番でのジャイアントキリングは起こせず、キャリア初のKO負けを喫したキム。試合後には「当然、試合に勝つためにここに来ました。屈辱的だと思っています」と悔しさをにじませた。

取材・文●谷健生(THE DIGEST編集部)

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