現地２月14日、柔道のグランドスラム（GS）アゼルバイジャン・バクー大会が行なわれ、女子52キロ級は昨夏のパリ五輪以来７カ月ぶりの復帰戦となった阿部詩が優勝を果たした。失意の２回戦負けで終わったパリ大会の悪夢を払拭する復活Vには国際柔道連盟（IJF）が祝福メッセージを寄せている。
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　2021年東京五輪金メダリストが、再起戦でその実力を証明した。初戦を大外刈りで一本勝ちを収めると、準決勝は小外刈りを炸裂。わずか開始９秒の秒殺で、あっさり決勝進出を決めた。決勝は粘る相手を横四方固めで破り、３試合オール一本勝ちと圧巻の内容で頂点に立った。

　日本人柔道家の復活優勝にはIJFも称賛のコメントを発信している。公式Ｘで「おかえりなさい、女王」と綴り、短いハイライト動画を添えたうえで過去４度の世界選手権を制した阿部の金メダルを祝福した。
  　さらに、IJFは公式サイトでも阿部の圧倒的な強さに注目している。配信された記事をみると、「52キロ級では、日本のウタ・アベに注目が集まっていた。東京オリンピックで金メダルを獲得している彼女は昨年の夏、パリで苦い敗北を喫した。同じ日に、彼女の兄であるヒフミ・アベ（阿部一二三）がオリンピックで２度目のタイトルを獲得したのに対し、ウタは畳を降りるときに流した悲痛な涙は誰もが覚えている」と言及。五輪２連覇を期待されたパリで、まさかの早期敗退に終わり会場に響くほど号泣したシーンに触れた。

　そのうえで、「大きな失望から数か月後、ウタ・アベはこれまで以上にやる気に満ち、すでに素晴らしいキャリアを積んでいる彼女のパリ大会は単なる偶然だったことを証明する準備ができている。それが偉大なチャンピオンの証だ」と紹介し、グランドスラム通算10度目となる女王に返り咲いたことを祝した。

　昨年10月頃から練習に復帰し、28年ロサンゼルス五輪に向けてリスタートを切った阿部。涙に暮れたパリ五輪から再起を目指す女王が、その第一歩を力強く踏み出した。

構成●THE DIGEST編集部

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