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フィギュア

“りくりゅう”がシーズン最終盤で自己ベスト80.99点を樹立できたワケ 「積み上げてきたものは間違っていなかった」最大の要因【世界フィギュア国別対抗戦】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2025.04.19

りくりゅうは総立ちの客席に笑顔を振りまいた。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

りくりゅうは総立ちの客席に笑顔を振りまいた。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 4月18日、フィギュアスケートの最強国を決める「世界国別対抗戦」の2日目が行なわれた。ペアショートは3月の世界選手権を制した三浦璃来/木原龍一が自己ベストの80.99点をマークし、今シーズンの世界最高得点で首位発進を決めた。

 会心のガッツポーズが飛び出した。冒頭は高さのある3回転ツイストリフトを決めると、続く3回転トウループも息をぴったり合わせて完璧に跳んだ。グループ4リフトは氷上を広く使いながらスピードを落とさず滑走し、最高評価のレベル4を獲得。スロー3回転ルッツも三浦がバチッと降りた。2人の持ち味である疾走感ある滑りでフィニッシュすると、笑顔が一気に弾けた。
 
 2023年に埼玉で開催された世界選手権で出した自己ベストを0.27点上回ると、三浦は「キャー!」と飛び跳ねて大喜び。取材エリアでは木原が「パーソナル(ベスト)じゃないよ」と勘違いする一幕もあったが、すぐに三浦が「いやパーソナルだよ。80.99点だから」と指摘すると、「おお!? そうなんだ!すご~い」とお互い拍手しながら喜ぶ微笑ましいシーンがあった。

 シーズン最終盤で叩き出した今季ベストパフォーマンス。しかも、今大会の日本勢ではペアが全種目を通じて初の1位となった。木原は「今季やってきたこと、積み上げてきたものは間違っていなかった。今シーズン課題にしてきたことを素直に確実に出せた」と力強い言葉で振り返った。

 では、なぜ会心の演技を出せたのか。木原は大きな要因に「怪我をしないことを目標にしてきた。離脱するような大きなケガにつながらなかった」ことを挙げ、次のように強調した。

「怪我をしなかったので安定して練習をすることができた。その技術がさらに積み重ねることができたからだと思います。怪我をしてしまうと以前のレベルに落としたり、相手に集中しないといけないので。それが本当に大きかった」
 
 一方で三浦は「シーズンを積み重ねてきた練習が大きい」と主張する。2度目の優勝を飾った3月末の世界選手権(米国・ボストン)がピークだったのでは?という質問には「世界選手権が終わってからでも、本当にシーズンの延長みたいな練習ができていたので。シーズンの積み重ねがとても良かったかな」と言うと、隣の木原も同調するようにうなずいた。

 19日は勝負のフリーに臨む。「怪我なく滑り切る」ことを何度も口にした木原は「本当にシーズン最終戦になるので。今までと変わらずに怪我をしないこと、そして年明けから『楽しむ』ことを大事にやってきたので。楽しむことも忘れずに頑張っていきたい」と意気込む。三浦も「良い結果が得られるように頑張りたい」と語り、“りくりゅう”らしく笑顔でスケートを楽しむ姿を誓った。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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