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格闘技・プロレス

「先輩とはぶつかり合えないスターダムにしたくない」STARS同門対決を実現させた後輩・羽南の想いは葉月に届くのか?

橋本宗洋

2025.04.27

4.27横浜アリーナ大会で、羽南は飯田沙耶とともに、先輩の葉月&コグマと激突する。写真:橋本宗洋

4.27横浜アリーナ大会で、羽南は飯田沙耶とともに、先輩の葉月&コグマと激突する。写真:橋本宗洋

 上谷沙弥と中野たむの「敗者引退マッチ」が話題となっているスターダムの4.27横浜アリーナ大会では、他にもリアルな人間関係を反映したカードがある。羽南&飯田沙耶vs.葉月&コグマのタッグ王座戦だ。
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 どちらもスターダムを代表するタッグチーム。同じユニット(STARS)でもある。今回、同門対決がビッグイベントで実現したのは、現チャンピオンである羽南からの挑戦者指名によるものだ。羽南は先輩である葉月に「変わってほしい」と思っている。

 葉月のバックステージコメントの映像を引用し、Xで「葉月さんは厳しさと意地悪を履き違えていることが多々あります」と指摘したのが1月のこと。また羽南はSTARSの「マンネリ化」も危惧していた。ここ数年、メンバーが固定。昨年1月に新メンバーとして新人王の弓月が加入したものの、3月にはスターダムを退団している。
 

 新人にとって“入りたいユニット”ではなくなっている現状。その要因の一つは葉月の厳しすぎる姿勢ではないかと羽南は考えた。もちろん葉月にも言いたいことはあるはずだし、プロレスラーが育つためには厳しさが絶対に必要だ。プロレスはケガの危険性と隣り合わせ、時には命を落とすこともある。

 ただ羽南は、葉月の厳しさの裏に優しさを見出すことができなかった。ムチを使うならアメも持っていないと人はついてこない、と。葉月は実力者として知られ、練習生たちのコーチでもあった。しかし両チームの対戦が決まると、羽南は記者会見で葉月がコーチから外れたことを明かしている。

「指導の中である問題が発生して、それを指摘された葉月さんがふてくされてしまったと聞きました。(団体1期生でユニットリーダーの岩谷)麻優さんも何も言わなくなってます。タイトル戦が決まって最初の前哨戦では、私たちと組んでいた麻優さんが相手チームの葉月さんたちと引き上げていったり......」

 STARS内に敵も味方もないというのが岩谷のスタンスなのだろう。しかしユニット内に軋轢が生じているのは間違いなかった。それは羽南も予想していたことだ。ユニットのメンバーで話し合いをする中、「自分がSTARSをやめれば丸く収まるんじゃないか」と考えたこともある。

 だが我慢して丸く収めても、状況は好転しない。

「メンバー同士がぶつかり合えないようではSTARSにとってよくない。今、自分が主張しておくことで風通しがよくなるし、それが後輩たちのためにもなると思ってます」

 控室の雰囲気について聞くと「私は空気が読めないんで大丈夫です(笑)」と羽南。とはいえ組織の中では揉めること、波風を立てること自体が忌避される傾向もあるから、プレッシャーも相当なものではないか。葉月には前哨戦のリング上で“無視”されてもいる。

「エルボー合戦だったり、私が何か攻撃してもやり返してこないんです」

 これは心理的な揺さぶりだろう。最初の前哨戦で敗れた葉月だが、そのことについてSNSでまったく触れないのも気になったと羽南。自分の気持ちをファンに伝え、タイトルマッチを盛り上げようという気がないのか。あるいは、それだけ悔しいということなのか。
 
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