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「マックスを倒すな、妥協せよ」──角田裕毅に課された“生き残りの条件”&王者の特別な才能を重鎮が語る「もうひとりのドライバーは壊れてしまうんだ」

THE DIGEST編集部

2025.05.22

フェルスタッペンとの違いを指摘された角田。(C)Getty Images

フェルスタッペンとの違いを指摘された角田。(C)Getty Images

 F1レッドブルのアドバイザーを務めるヘルムート・マルコ博士はエミリア・ロマーニャGP後に、独メディア『sport.de』のインタビューに対応。盤石の走りで今季2勝目を収めたマックス・フェルスタッペンと、予選の大クラッシュから運を味方に決勝レースでジャンプアップを果たした角田裕毅の“明確な違い”について語り、トップチームのセカンドドライバーに必要な資質について自身の考えを明かした。

【動画】縁石が本当に難しいイモラ… 角田裕毅が予選Q1でコースアウト→マシン大破
 マルコ博士は、角田とフェルスタッペンの違いについて、「適応力」を挙げた。同グランプリのフリー走行2回目ではフェルスタッペンと0.1秒差以内だったにもかかわらず、アップデートを投入した翌日のフリー走行3回目では1秒差がついてしまった点に着目。両者の大きな差を以下のように説明した。

「マックスはどんな変更があっても、1~2周で理解する。だが他のドライバーにとってはそう簡単ではない。ツノダもそのひとりだ。急激な仕様の変更への適応には時間がかかる」

 また、かねてから伝えられているように、フェルスタッペン好みのマシンの“クセ”も角田を苦しめているとマルコ博士は示唆する。

「マックスはフロントがグリップするマシンが好きで、アンダーステア傾向を嫌う。逆に、ほとんどのドライバーがアクセルを戻してしまうような、リアが不安定な状況でも構わずアクセルを踏み続ける。マシンコントロールはあらゆる面で並外れており、精神力も強くミスも犯さない。これらの要因が積み重なると、もうひとりのドライバーは壊れてしまうんだ」

 あまりにも高いフェルスタッペンの壁。角田がそのような才能と向き合うにはどうすればよいのか。重鎮は以下のようにアドバイスを送る。

「当然、全てのドライバーがチームメイトを倒したいと思っている。でも、ツノダは2番手としてポイント圏内を走りつつも、マックスを倒そうとせず、妥協点を見つけなければならない。なぜならそれが失敗するのは、すでに証明済みだからだ」

 次戦は、F1で最も正確さが問われる市街地レース、モナコGP。予選の1ミスが命取りとなるこの舞台で、セカンドドライバーとしての役割を全うできるか。それは、レッドブル内での評価に大きな影響を与えるだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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