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角田裕毅、イモラでのクラッシュによる修繕費は3億円超! 専門メディアはモナコでの“再発”を懸念する一方で「価値を示すチャンス」と躍進への期待も

THE DIGEST編集部

2025.05.24

第7戦エミリアロマーニャGPではマシンを大破させてしまった。モナコでの巻き返しに期待したい。(C) Getty Images

第7戦エミリアロマーニャGPではマシンを大破させてしまった。モナコでの巻き返しに期待したい。(C) Getty Images

 レッドブルの角田裕毅は、先週末のF1第7戦エミリアロマーニャ・グランプリの予選Q1、ターン5で縁石に乗ってコントロールを失い、リアからウォールに突っ込んで横転しながら着地するという派手なクラッシュを喫した。

【動画】縁石が本当に難しいイモラ… 角田裕毅が予選Q1でコースアウト→マシン大破
 彼は無傷だったが、「RB21」はほぼ全損。メカニックの懸命の作業によって修繕され、レースでは10位入賞を飾ったことで最低限のリカバリーは果たせたものの、「Q1でヒーローになろうとした」(本人談)は全く不必要な行為であり、ヘルムート・マルコ顧問も「クラッシュは評価できない」と苦言を呈している。

 チームスタッフに余計な仕事を増やしてしまったこのクラッシュは、同時にレッドブルに大きな金銭的負担も強いることになった。オランダのF1専門メディア『F1MAXIMAAL.NL』は、シーズンを通して各ドライバー、チームのマシン修繕費をランキングで発表しているが、なんと今回の角田の一件で生じたのは192万5900ユーロ(約3億1200万円)という莫大な額だったという。
 
 イモラの週末を迎えるまでは、第6戦マイアミGPまでアルピーヌで出走していたルーキーのジャック・ドゥーハンが179万8100ユーロ(約3億円)で今季トップだったが、角田は合計で275万6300ユーロ(約4億4700万円)に達したことでこれを抜き、現時点では断トツの「クラッシュ王」(同メディア)となってしまった。

 同メディアは、「レッドブルにとっては、まさに経済的に痛い週末となった」と綴り、「イモラは大クラッシュが起こりやすいことで知られているが、次週のF1ではさらにタフなチャレンジが待っている。舞台はモナコの市街地コースへと移り、ドライバーたちは極限まで試されることとなる。モンテカルロほどウォールが近いサーキットは他にないため、一瞬のミスが即クラッシュに直結するのだ」と警告している。

 スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』のピットレーンレポーターを務めるテッド・クラビッツ氏は、「レッドブルはフロアの機密保持のため、自分たちの車がグラベルでひっくり返るのを見るのを嫌う。だからあのチームのドライバーは、普通はあんなことはしない」と指摘したが(英国のF1専門サイト『F1 OVERSTEER』より)、角田はクラッシュの場面やRB21への適応について、レース後に以下のように語っていた(ブラジルのF1専門サイト『GRANDE PREMIO』より)。

「コーナーでの全ての瞬間を鮮明に憶えています。あれは本当に予想外の動きであり、ああいう状況は初めてでした。(RB21は)現時点で、まだ予測不可能な動きが起きることがあります。おそらくこれは、単に自分の身体に“筋肉の記憶”がまだないからだと思います。これに対する反応は、経験を積むことでしか身につかないと思っています。レーシングブルズでは、車がスライドしても簡単に対処できました。何も考えなくても反応できました」

 レッドブル昇格以降、着実に進化を遂げ、しばしば好パフォーマンスを発揮しているものの、まだ大きな成果は見せられていない日本人ドライバーの試練は続きそうだが、前出の『F1 OVERSTEER』はモナコGPでのレッドブル勢についてはポジティブな展望を示している。

「レッドブルは過去6回のモナコGPのうち4回(マックス・フェルスタッペン2回、セルジオ・ペレスとダニエル・リカルドが1回ずつ)で勝利している。このコースは、彼らのマシン特性、特に空力効率の高さに合っている。イモラでのアップグレードによってマクラーレンの強みを打ち消すことに成功しただけに、今季最も競争力のある状態でモナコに挑めるかもしれない。あとはドライバー次第だ。王者フェルスタッペンは当然信頼できるが、角田にも自身の価値を示す大きなチャンスが巡ってきている」

構成●THE DIGEST編集部

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