現地５月24日、卓球の世界選手権（カタール・ドーハ）は女子シングルス準決勝が行なわれ、世界ランク９位の伊藤美誠が中国の最強女王・孫穎莎（同１位）にゲームカウント０-４（7-11、5-11、9-11、4-11）のストレートで敗れ、日本女子56年ぶりの決勝進出はならず。銅メダルで大会を終えた。

　前日は世界ランク４位の王芸迪（中国）を４対１で撃破し、歓喜の涙を流した。金メダル獲得に向け、伊藤は最大の山場に臨んだ。

　第１ゲームは互いに点を取り合う展開。伊藤がバック、ロングサーブなど変幻自在な攻撃で組み立てるが、孫穎莎は冷静に対応。強烈なフォア、バックを容赦なく放ち常に先手を奪う。伊藤も食らい付こうとするが、最後はフォアハンドがオーバーとなり先取される。

　第２ゲームも孫穎莎の牙城を崩せず、主導権を握られたまま落とした伊藤。反撃したい第３ゲームは序盤から５連続失点と苦しい展開だったが、強気にフォアで打ち合う。相手の強打には迷わず懐に打ち返し、目にも止まらぬ速いラリーを応酬して最後はフォアハンド。じわじわ点差を縮めて7-8と追い上げる。タイムアウトで一呼吸置いた伊藤は２連続得点でついに9-9に追い付く。しかし孫穎莎がここぞとばかりにバックで突き放し、重要な局面で決め切る。自分の流れを作ったが、伊藤は３ゲーム連続で落とした。
  　絶対女王に王手をかけられ、後がなくなった伊藤。大逆転勝利を目指し、緩急をつけた攻撃でテーブルギリギリのラインを狙うが、最強女王は涼しい顔でボールを返しながらポイントを積み重ねる。あっという間に1-9と点差が大きく開く。なんとか意地をみせたい伊藤は３得点挙げるも、最後は孫穎莎の高い壁に屈した。

構成●THE DIGEST編集部

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