F1第10戦カナダGPはメルセデスのジョージ・ラッセルが今季初優勝を飾った。３位にはキミ・アントネッリが入りキャリア初表彰台。メルセデスの２人がトップ３に名を連ね、今後への新たな展開を予感させる結果となった。

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　今季３チーム目のウィナーが生まれた一方で、不振がさらに深刻となっているのがフェラーリだ。10戦を終え未勝利、カナダではシャルル・ルクレールが５位、ルイス・ハミルトンが６位で終えている。
  　直近２戦で表彰台に登ったルクレールは、予選８番手から巻き返しを狙ったが、レース中盤以降で上位陣に競り負ける形に。ハミルトンも予選では５番グリッドと好位置につけたものの、決勝では小動物と接触しマシンにダメージを負うという予想外のアクシデントも影響し、スペインGPに続き６位でのフィニッシュとなった。

　今季、開幕から現在まで歯車が噛み合わないフェラーリの現状に、チーム内からも変化を求める声が上がっている。英メディア『CRASH』が６月16日配信のトピック内において、カナダGP後でのハミルトンのコメントを紹介している。

「詳しくは言えないが、今年起きたことや問題、そしてチーム内で何が起こっているのかを説明できるようなことがたくさんある。しかし、僕の目標はポジティブな影響を与えて、長期的な成功に向けて変革を起こすことなんだ」

　ハミルトンのこの言葉は、チーム内に解決すべき多くのトラブルが生じていることを窺わせるものであり、さらに、「必要なのは本当にたくさんの変化だ。僕にとって重要なのは“基盤を築くこと”。今の僕らはタイトル争いをしていない」とも述べている。

　また他にも、「僕らにはアップグレードが本当に必要だ。前に出るためには変えなきゃいけないことがたくさんある」と主張。チームの窮状を訴えている。

　加えて同メディアも、「フェラーリは2025年ここまで“ビッグ４”の中で唯一、表彰台の頂点に立てていない。フェラーリはこれまで10戦中３度しか表彰台に上がっておらず、勝利はハミルトンが上海で制したスプリントレースのみだ」と論じており、マシンのウィークポイントにも言及。「SF-25は期待を裏切る仕上がりとなっており、広く報じられているリアサスペンションの問題が全体的なパフォーマンスに悪影響を及ぼしている」などと指摘する。

　次戦以降、戦いの舞台はふたたび欧州に移る。間もなく折り返しを迎えるシーズン、名門は勢いを取り戻すことが出来るだろうか。

構成●THE DIGEST編集部
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