異色であり、正攻法でもあり、どちらの意味でも目が離せない闘いだった。6月15日に開催された『ウラノえん』。インディーマットの名バイプレイヤーとして知られる技巧派ヤス・ウラノの自主興行だ。
【画像】2025年の名勝負! 熟練レスラーが魅せた技の総力戦、「60分アイアンマンマッチ」
ここで彼がマッチメイクしたのが、日高郁人との初シングル。しかも「60分アイアンマンマッチ」だ。これは60分の規定時間をフルに闘った上で、フォール、ギブアップを奪った合計ポイントを競うもの。
60分闘う体力、技の引き出し、それに長丁場で観客を飽きさせない組み立ても必要だ。レスラーとしての“実力”、その総力戦と言っていい。
ウラノとしては、日高という相手がいたからこその60分アイアンマンマッチだった。ウラノは49歳、デビュー25年。日高はバトラーツでデビューし27年になる52歳だ。
2人はキャリアの中で培ったテクニックで観客を魅了していった。腕の取り合いからフルネルソンの攻防は日高がリード。20分台はウラノがヘッドロック、監獄固め、さらにはボディシザースで攻める。ことさらに気を衒ったわけではない。ヘッドロックはウラノの得意技の一つだ。
その後も日高が足4の字固めを見せるなど集中力が途切れない。ウラノはバックドロップで投げられてもヘッドロックを離さず。
緻密な攻防というだけでなく、両者は場外乱闘も。その瞬間で最も効果的な攻撃をチョイスしたということだろう。
試合は日高が変形首固めと回転足折り固めで2ポイント先制。後半、ウラノがショーンキャプチャーを潰して3カウントを入れ、さらにモダンタイムズ・タイムズ。一度は同点となったが、終了間際に日高がショーンキャプチャーを決め、トータル3-2で勝利した。
試合前の練習量に不安もあったというが、近年も大日本プロレス、666でベルトを巻いた実力はダテではなかった。
「25年のプロレス人生で一番辛くて、でも一番楽しかった。相手が日高さんだったっていうのが一番大きいんですけど。日高さんは尊敬できるし目標にふさわしい人。闘い抜けたことが自信になりました」(ウラノ)
「ウラノ選手は嫌な相手だけど、このルールでは得意な部分を探せる相手だった。今後もやってみたく...はないです。でもやってよかった。52歳と49歳ですよ。セコンドの青木(いつ希)にも伝えたいですね、この経験を」
ウラノは技術、インサイドワークに秀でた選手で、だから自分にもチャンスがあったと日高。若さや勢いで押し切ってしまう場面も、勝つためには必要だったとウラノ。
そうした、実際にやってみなければ分からない“勝負のアヤ”に挑んだ52歳と49歳。今年のプロレス界において、忘れられない名勝負だと言っていい。
取材・文●橋本宗洋
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ウラノとしては、日高という相手がいたからこその60分アイアンマンマッチだった。ウラノは49歳、デビュー25年。日高はバトラーツでデビューし27年になる52歳だ。
2人はキャリアの中で培ったテクニックで観客を魅了していった。腕の取り合いからフルネルソンの攻防は日高がリード。20分台はウラノがヘッドロック、監獄固め、さらにはボディシザースで攻める。ことさらに気を衒ったわけではない。ヘッドロックはウラノの得意技の一つだ。
その後も日高が足4の字固めを見せるなど集中力が途切れない。ウラノはバックドロップで投げられてもヘッドロックを離さず。
緻密な攻防というだけでなく、両者は場外乱闘も。その瞬間で最も効果的な攻撃をチョイスしたということだろう。
試合は日高が変形首固めと回転足折り固めで2ポイント先制。後半、ウラノがショーンキャプチャーを潰して3カウントを入れ、さらにモダンタイムズ・タイムズ。一度は同点となったが、終了間際に日高がショーンキャプチャーを決め、トータル3-2で勝利した。
試合前の練習量に不安もあったというが、近年も大日本プロレス、666でベルトを巻いた実力はダテではなかった。
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「ウラノ選手は嫌な相手だけど、このルールでは得意な部分を探せる相手だった。今後もやってみたく...はないです。でもやってよかった。52歳と49歳ですよ。セコンドの青木(いつ希)にも伝えたいですね、この経験を」
ウラノは技術、インサイドワークに秀でた選手で、だから自分にもチャンスがあったと日高。若さや勢いで押し切ってしまう場面も、勝つためには必要だったとウラノ。
そうした、実際にやってみなければ分からない“勝負のアヤ”に挑んだ52歳と49歳。今年のプロレス界において、忘れられない名勝負だと言っていい。
取材・文●橋本宗洋
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