陸上界のスーパー女子高生が世界への切符を手繰り寄せた。
7月5日、東京世界陸上の代表選考会を兼ねた日本選手権(東京・国立競技場)の2日目が行なわれ、女子800メートル決勝は17歳の久保凛(東大阪大敬愛高3年)が1分59秒52の日本新記録を樹立して優勝。現役高校生ランナーが他を圧倒する走りで2連覇を完遂した。
【画像】熱戦が繰り広げられている陸上日本選手権大会第1日を厳選ショットで特集!
独壇場だった。前日の予選で全体トップタイムを叩き出した久保は堂々のセンターレーンで登場。母校の文字が刻まれたピンク色の勝負ハチマキを頭に巻き、序盤から果敢に先頭に立って集団を引っ張る。ラスト1周の鐘が鳴ると、ギアをさらに上げた久保は後続を引き離す。粘る2番手を最終3角で突き放すとそのままトップを独走。最後までスピードは落ちず、ラスト直線を力強く駆け抜けた。
電光掲示板に「日本新」「1:59.52」の文字が浮かぶと会場は大歓声に包まれた。あどけなさが残る17歳の少女は周囲に一礼して感謝を示し、満面の笑みを浮かべて声援に応えた。
レース後、「自己ベストが出せて納得のいく走りができた」と振り返った。昨年、自身がマークした優勝タイム(1分59秒93)を0秒41上回る快走には「2周目は足が軽くて。ラスト200メートルで余裕があって、もう一段階ギアを上げることができた」と明かし、確かな成長にうなずいた。
昨年の同大会で日本一に輝くと、7月の記録会では19年ぶりに日本記録を更新。大きな注目を集めたが、当時はまだ「世界」との距離を感じていたという。今季は世界陸上の日本代表入りを目指し、ずっと参加標準記録(1分59秒00)を追いかけた。
4日の予選直後も「絶対に記録を出さないといけない」と自らにプレッシャーをかけた。重圧に押し潰されそうになるなか、少し気持ちが軽くなったのは家族の言葉だった。「お父さん、お母さん、お兄ちゃんが『楽しんで走ってきな』と何回も言ってくれて。すごくリラックスして走れた」と笑顔を浮かべ、応援に駆けつけた家族の声援をパワーに変えた。
突破を目標にしていた標準記録には惜しくも届かなかったが、初の世界陸上代表入りに前進。「楽しんで走れたので満足」と納得の表情で話した。
2か月後に世界陸上が開催される国立競技場で再び自己ベストを塗り替えた。「世界の舞台が目の前まで近づいてきている」と自信を持つことができた久保は、「出場できたら一本でも多く走れるように。ファイナルまで進みたい」と強い言葉を残した。
加速的な成長が止まらない17歳。戦うべき大舞台がスーパー女子高生の視界にははっきり映っている。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
【記事】久保凛が日本新記録の大快挙!! 17歳の"スーパー女子高生"が800m連覇、世界陸上代表入りに前進【日本選手権】
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7月5日、東京世界陸上の代表選考会を兼ねた日本選手権(東京・国立競技場)の2日目が行なわれ、女子800メートル決勝は17歳の久保凛(東大阪大敬愛高3年)が1分59秒52の日本新記録を樹立して優勝。現役高校生ランナーが他を圧倒する走りで2連覇を完遂した。
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独壇場だった。前日の予選で全体トップタイムを叩き出した久保は堂々のセンターレーンで登場。母校の文字が刻まれたピンク色の勝負ハチマキを頭に巻き、序盤から果敢に先頭に立って集団を引っ張る。ラスト1周の鐘が鳴ると、ギアをさらに上げた久保は後続を引き離す。粘る2番手を最終3角で突き放すとそのままトップを独走。最後までスピードは落ちず、ラスト直線を力強く駆け抜けた。
電光掲示板に「日本新」「1:59.52」の文字が浮かぶと会場は大歓声に包まれた。あどけなさが残る17歳の少女は周囲に一礼して感謝を示し、満面の笑みを浮かべて声援に応えた。
レース後、「自己ベストが出せて納得のいく走りができた」と振り返った。昨年、自身がマークした優勝タイム(1分59秒93)を0秒41上回る快走には「2周目は足が軽くて。ラスト200メートルで余裕があって、もう一段階ギアを上げることができた」と明かし、確かな成長にうなずいた。
昨年の同大会で日本一に輝くと、7月の記録会では19年ぶりに日本記録を更新。大きな注目を集めたが、当時はまだ「世界」との距離を感じていたという。今季は世界陸上の日本代表入りを目指し、ずっと参加標準記録(1分59秒00)を追いかけた。
4日の予選直後も「絶対に記録を出さないといけない」と自らにプレッシャーをかけた。重圧に押し潰されそうになるなか、少し気持ちが軽くなったのは家族の言葉だった。「お父さん、お母さん、お兄ちゃんが『楽しんで走ってきな』と何回も言ってくれて。すごくリラックスして走れた」と笑顔を浮かべ、応援に駆けつけた家族の声援をパワーに変えた。
突破を目標にしていた標準記録には惜しくも届かなかったが、初の世界陸上代表入りに前進。「楽しんで走れたので満足」と納得の表情で話した。
2か月後に世界陸上が開催される国立競技場で再び自己ベストを塗り替えた。「世界の舞台が目の前まで近づいてきている」と自信を持つことができた久保は、「出場できたら一本でも多く走れるように。ファイナルまで進みたい」と強い言葉を残した。
加速的な成長が止まらない17歳。戦うべき大舞台がスーパー女子高生の視界にははっきり映っている。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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