異次元の爆走だ。

　東京世界陸上の代表選考会を兼ねた日本選手権（国立競技場）は７月６日、女子1500メートル決勝が行なわれ、この種目の日本記録保持者である田中希実が４分４秒16で優勝。史上初の６連覇を達成した。参加標準記録（４分１秒50）はすでに突破済みで、世界陸上の代表に内定。5000メートルと合わせ２種目で代表入りを果たした。

　国内敵なしの絶対女王が貫録の激走だ。序盤からトップに踊り出た田中は順調にラップタイムを刻む。徐々にギアを上げてスピードに乗ると、あっという間に後続を突き放した。

　目に見えない海外トップランナーの背中を追いかけるような力強い走りで独走。会場の大歓声を一身に浴びながら一気にトラックを駆け抜けた。

　自身が前回マークした４分１秒44の大会記録は突破できなかったが、圧巻の走りにスタジアムから大きな拍手が送られた。
  　日本選手権６連覇を見事に完遂。日本女子中距離界のエースは同じ国立競技場を舞台に、２か月後に迫った「世界」との戦いを見据える。

取材・文●湯川泰佑輝（THE DIGEST編集部）

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