7.27『超RIZIN4』(さいたまスーパーアリーナ)のメインイベントは大接戦となった。
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前フェザー級王者クレベル・コイケと朝倉未来の対戦。4年ぶりのリマッチだ。前回はクレベルが三角絞めで一本勝ちを収めている。
だが朝倉は自信満々だった。昨年7月、平本蓮との因縁の対決で敗れ、引退を表明したものの今年5月に復帰。元フェザー級チャンピオンの鈴木千裕を倒している。
もともと平本とのリマッチで復帰する予定だったが、平本は負傷により欠場。代打として名乗りを挙げた鈴木との対戦になった。ここまで朝倉はキックルール含めて3連敗中。久しぶりの勝利の味は、マインドを一変させるほどのものだったのだろう。あるいは“勝ち方”を思い出したという感覚だったのかもしれない。
打撃を得意とする朝倉だが、鈴木戦ではグラウンドを効果的に使い主導権を握った。練習ではひたすら組み技を磨いてきたから、柔術家のクレベルに対しても自信があったという。動きのクセも研究済み。たとえば前回のフィニッシュとなった三角絞めは、右足を差し入れる形だけで逆方向はないと分析。それだけディフェンスもしやすくなった。
クレベルは何度もタックルを仕掛けてきたが、朝倉は完璧にディフェンス。倒されないという自信があるから、引き込みだけ注意していればよかったという。
クレベルは世界でもトップクラスの寝技師と言っていい。寝技になったら何をされるか分からないし、すぐに絞め技、関節技を極められてしまう。
対戦相手にとってはそんな恐怖があるのだが、朝倉は組み技強化と研究によって“何をされるか”の選択肢を絞っていった。それだけ対処もしやすくなる。
前回はグラウンドになるとディフェンスばかりになっていた朝倉だったが、今回は違った。引き込んできたクレベルをしっかり抑え込んでパウンド。強烈なヒジを振り落とす場面もあった。記者会見での予告通りの一発だ。
判定は2-1。朝倉のリベンジ達成だ。ジャッジの1人はクレベルが次々に仕掛けたタックルの積極性を支持したのだろう。その観点からすると、朝倉はテイクダウンのディフェンス、つまり後手に回る時間が長かったということになる。何度かテイクダウンを許し、寝技で下になる展開だったら、クレベルに押し切られていたかもしれない。
紙一重で勝敗が入れ替わる大接戦だったのだ。試合後のクレベルは、インタビュースペースで「勝利を盗まれた」と判定への怒りを露わにしている。試合の当事者であるクレベルがそう思うのも無理はないと思えるほどの接戦だったのだ。
クレベルもアグレッシブに動いていた。しかしRIZINの判定基準であるダメージ=効果的な攻撃という点では、やはり朝倉が上回っていたように見えた。
これで朝倉は、THE OUTSIDER時代も含めリベンジマッチ3戦3勝となった。一度闘った相手は研究しやすいということもあるのだろう。加えてイベントを背負う立場として“これ以上は負けられない”というシチュエーションでこそ底力を発揮するようにも見える。
試合後はヴガール・ケラモフ、平本蓮との対戦をアピールした朝倉。どちらも過去に敗れた選手だ。その“リベンジロード”はドラマ性があり、実現すればファンを熱狂させるに違いない。
加えて「チャンピオンとやりたい」という発言も。9月のタイトルマッチの勝者に大晦日に挑戦する可能性もある。いずれにしても、新陳代謝が早いと言われるRIZINのフェザー級、その中心に朝倉が躍り出たことは間違いない。
取材・文●橋本宗洋
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だが朝倉は自信満々だった。昨年7月、平本蓮との因縁の対決で敗れ、引退を表明したものの今年5月に復帰。元フェザー級チャンピオンの鈴木千裕を倒している。
もともと平本とのリマッチで復帰する予定だったが、平本は負傷により欠場。代打として名乗りを挙げた鈴木との対戦になった。ここまで朝倉はキックルール含めて3連敗中。久しぶりの勝利の味は、マインドを一変させるほどのものだったのだろう。あるいは“勝ち方”を思い出したという感覚だったのかもしれない。
打撃を得意とする朝倉だが、鈴木戦ではグラウンドを効果的に使い主導権を握った。練習ではひたすら組み技を磨いてきたから、柔術家のクレベルに対しても自信があったという。動きのクセも研究済み。たとえば前回のフィニッシュとなった三角絞めは、右足を差し入れる形だけで逆方向はないと分析。それだけディフェンスもしやすくなった。
クレベルは何度もタックルを仕掛けてきたが、朝倉は完璧にディフェンス。倒されないという自信があるから、引き込みだけ注意していればよかったという。
クレベルは世界でもトップクラスの寝技師と言っていい。寝技になったら何をされるか分からないし、すぐに絞め技、関節技を極められてしまう。
対戦相手にとってはそんな恐怖があるのだが、朝倉は組み技強化と研究によって“何をされるか”の選択肢を絞っていった。それだけ対処もしやすくなる。
前回はグラウンドになるとディフェンスばかりになっていた朝倉だったが、今回は違った。引き込んできたクレベルをしっかり抑え込んでパウンド。強烈なヒジを振り落とす場面もあった。記者会見での予告通りの一発だ。
判定は2-1。朝倉のリベンジ達成だ。ジャッジの1人はクレベルが次々に仕掛けたタックルの積極性を支持したのだろう。その観点からすると、朝倉はテイクダウンのディフェンス、つまり後手に回る時間が長かったということになる。何度かテイクダウンを許し、寝技で下になる展開だったら、クレベルに押し切られていたかもしれない。
紙一重で勝敗が入れ替わる大接戦だったのだ。試合後のクレベルは、インタビュースペースで「勝利を盗まれた」と判定への怒りを露わにしている。試合の当事者であるクレベルがそう思うのも無理はないと思えるほどの接戦だったのだ。
クレベルもアグレッシブに動いていた。しかしRIZINの判定基準であるダメージ=効果的な攻撃という点では、やはり朝倉が上回っていたように見えた。
これで朝倉は、THE OUTSIDER時代も含めリベンジマッチ3戦3勝となった。一度闘った相手は研究しやすいということもあるのだろう。加えてイベントを背負う立場として“これ以上は負けられない”というシチュエーションでこそ底力を発揮するようにも見える。
試合後はヴガール・ケラモフ、平本蓮との対戦をアピールした朝倉。どちらも過去に敗れた選手だ。その“リベンジロード”はドラマ性があり、実現すればファンを熱狂させるに違いない。
加えて「チャンピオンとやりたい」という発言も。9月のタイトルマッチの勝者に大晦日に挑戦する可能性もある。いずれにしても、新陳代謝が早いと言われるRIZINのフェザー級、その中心に朝倉が躍り出たことは間違いない。
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